事件発生当時、自宅にいた者が事件に関する内容に言及することをお許しください。
まずは罪の無い尊い命が奪われたこと、大変悔しく思います。被害に遭われた春川萌衣さんのご冥福をお祈りします。そして、事件に遭遇した店員さんや来店していた皆様のトラウマにならないことを祈ります。
今回このような文面を公開することにした理由ですが、私の執筆している小説に「ストーカー被害」という問題を取り上げているためです。報道直後から入ってくる内容があまりにも悲惨であり無視することが出来ませんでした。
不謹慎ではありますが、犯人と被害女性の関係が「元恋人」であり、犯人が「被害女性のストーカー」だと分かったことは唯一の収穫だと感じております。最も、犯人が女性を殺害してから自殺してしまったため確実な動機は分かりませんが、場合によっては迷宮入りする可能性もありました。何も分からなければ、「無差別殺人」とも捉えられる事件であり、真相が明らかになることはなくここまで注目を浴びることも無かったでしょう。
そして、春休みというタイミングで、多くの方々が訪れていたのではないかと思います。中にはお子さまを連れて帰省していたという方々もいらっしゃると思います。夢の場所で、お子さまに「楽しい思いをさせたい」という気持ちから訪れた結果、このような事件に遭遇したことは決して親御さんの責任ではございません。もし、「トラウマを与えた」と責任を感じているのならばそれはあなたのせいではありません。私のような人間に言われて治るものではないと思います。無関係の人間の私ですが、「あなたは悪くない」と伝えさせてください。
さて、ここからは私の考えになります。
早速身勝手な偏見になりますが、私はストーカーに関する通報に関して警察が本格的に動くのは殺人事件や殺人未遂事件が発生してからだと認識しております。あえて名前は出しませんが、以前も報道されていたストーカー被害の事件では被害女性が助けを求めているにも関わらず、警察の判断で然るべき対応を受けることなく最終的には殺人事件へと発展した事件がありました。
但し今回の場合、春川さんのストーカーに対しきちんと対応しており、去年の十二月に逮捕をしていたことが分かっています。しかし、一月下旬に釈放されています。
このようにストーカー事件で考えさせられる問題として、一人の生活を脅かしている存在であるにも関わらずきちんと対応されないことや、逮捕されたとしても警察は簡単に社会へ戻させることの是非です。
被害女性はこれ以上被害に遭わないよう、「アルバイトを休む」、「知り合いの家に避難する」といった対応を自らとっていたそうです。
なぜ事件の被害者がここまでの対応をしなければならないのでしょうか。
自分の命を守るためとはいえ、被害者には少なからず「周りに迷惑をかけている」という罪悪感、そして「巻き込んだらどうしよう」という恐怖心が生まれることは想像できます。
つまり、警察が最初からまともな対応をしてくれていれば、被害者がこのような感情を抱くことなく守ることが出来たのではないでしょうか。
以下の条文は警視庁ホームページより「警視庁警察職員服務規定」を引用したものになります。
第3条
職員は、首都治安確保の重責及び警察の任務が国民から負託されたものであることを自覚し、国民の信頼に応えることができるよう、高い倫理観の涵養〔かんよう〕に努めなければならない。
2 職務倫理の基本は、次に掲げる事項とする。
(1) 誇りと使命感を持って、国家と国民に奉仕すること。
(2) 人権を尊重し、公正かつ親切に職務を執行すること。
(3) 規律を厳正に保持し、相互の連帯を強めること。
(4) 人格を磨き、能力を高め、自己の充実に努めること。
(5) 清廉にして、堅実な生活態度を保持すること。
警察という言葉を単純に読み解くと、「警戒すること」、「察すること」となります。本来であれば、事件が起こってからではもう遅いはずです。特にストーカー被害は事件が起こる「かもしれない」という事件が発生する前に対処出来る数少ない事例です。それを事件が発生してから重大事件として対応することは果たして正しいのでしょうか。
禁止命令を出されてもなおストーカー事件が起こってしまうのならば、今よりも厳しい対応を検討する必要もあります。
私は小説内でこのような文章を書きました。
《彼は自分のことしか考えない男だ。月菜先輩と付き合うために、彼女を切り捨てることが出来る。そんな男だ。そんな奴が「もう会わない」という口約束を素直に従うとは思えない。》
ストーカーというものは、自分の感情のみで動いています。相手の気持ちを考えない。相手のことを考えられる人間であればストーカーなど発生することは無いでしょう。
ストーカー関連の事件は警察の在り方も考えさせられます。特にこのストーカー被害は対応の仕方によっては殺人事件を防ぐことが可能です。ストーカーの被害に遭われている人にとって通報すること自体がすでに大きな勇気。警察が頼りだから、通報するのです。その勇気を警察が簡単に振り払っているという現実が信じられません。国民が「警察」という正義の味方を失ったら残った自分は誰を頼ればいいのか、考えてみてください。
私が自分の作品にストーカーを取り入れた理由をこのような形で読者の皆様にお伝えすることになるとは、作品の構成を考えはじめた当時は全く想像していませんでした。しかし、今回の事件で皆様に「正しいもの」を改めて「本当に正しいのか」と考えさせる機会になるのではないかと考えたため、今回このような声明を出しました。
賛否あると思いますが、あくまでも「個人」の意見です。違う考えを持っている方々を否定するつもりで書いていないと分かっていただけたらと思います。
末筆ではありますが、改めて、被害に遭われた春川萌衣さんのご冥福と、遭遇した皆様、そして春川萌衣さんのご家族にいち早く心の安心と日常が戻ることを祈っております。
以上