小説や物語を書いていると、登場人物が頭の中で動き始めることがあります。
「この人なら、こう言うだろうな」
と考えているうちに、いつの間にかキャラクター同士が会話をしていたり、作者が考えていなかった行動を取ったりする。
キャラクターの声が聞こえるように感じる人もいれば、姿や表情が浮かぶ人もいる。
「キャラクターが生きているみたい」
という感覚です。
最初は、こういうことは自分だけなのかなと思っていました。
ところが、調べてみると、実際にこうした創作体験を調査した研究がありました。
2020年に発表された研究では、181人のプロの作家を対象に、キャラクターの声や、キャラクターが自分で動いているように感じる経験などが調べられています。
そこでは、
・ キャラクターの声を聞くように感じる
・ キャラクターの姿や感覚が浮かぶ
・ キャラクターが作者の予定とは違う行動をする
・ キャラクターの視点から物語を感じる
といった経験が報告されています。
もちろん、作家全員が同じように感じるわけではありません。
声として感じる人もいれば、映像として感じる人もいる。
会話のように感じる人もいれば、人物が自然に動いていくように感じる人もいる。
どうやら「キャラクターが生きてくる」という創作感覚には、いろいろな形があるようです。
そして、私自身もこのタイプです。
童話を書くこともあれば、文学を書くこともある。
恋愛も書くし、現代小説や現代ファンタジーも書く。
これからは歴史を扱った漫画も書こうとしています。
ジャンルはそれぞれ違います。
でも、物語を書いていると、キャラクターが頭の中で動き始める。
話し始める。
その人物ならどうするのかが、こちらの予想より先に出てくることがある。
だから最近、
「キャラクターが勝手に動き出すって、もしかして自分だけじゃないのか」
と思って調べてみました。
すると、ちゃんと研究されていた。
創作って、やっぱりちょっと不思議です。
【 参考】
2020年に発表された、プロの作家181人を対象にした創作体験の研究論文。
John Foxwell, Ben Alderson-Day, Charles Fernyhough, Angela Woods
I’ve learned I need to treat my characters like people : Varieties of agency and interaction in Writers’ experiences of their Characters’ Voices
Consciousness and Cognition, 79, 102901, 2020.