現在は、主人公ネイピアを中心とした5次元少女達の異能バトルが繰り広げられています。
世界観や全体としてのメタな雰囲気だけでも感じとっていただけたら嬉しいです。
【特殊な体細胞操作に潜む影】
「ねえアイピス?
話あんだけどさ」
「何なのら?」
「ネイピアがあんたと会話したいって……」
「嫌なノラ!
そうやってオイラに近付いといて隙をついてやっつけようなんて魂胆がまるみえなノラ!!」
(ねえ、ネイピア?
やっぱアイピスまともにとりあってくれないんだけど……)
(私が降参するから話したいって言ってみて)
(あ、わかった)
「ねえ、アイピス?
ネイピアがさ、降参するって。
だからあんたと直接話がしたいんだって。
どうする?」
「だから、あいつがなんの理由も無しにオイラに降参なんて絶対嘘っぱちなノラ!
オイラを騙して出し抜こうなんて許せないノラー!!」
(ネイピア〜、アイピスやっぱなかなかしぶとい)
(お互いにメリットになる相談する価値のある理由なのだけれど。
話だけでも聞いてくれない?
そう伝えてみて」
(う、うん)
「ネイピア曰く、『お互いにメリットになる相談する価値のある理由なのだけれど。
話だけでも聞いてくれないか』だって。
どうする?」
「ネイピアってやつ、ほんっとしぶといノラね」
(うん、おまえもな)
「なあラジアナ。今オイラに何か言ったノラか?」
「いや、なんでもない」
「ホントにそうノラか〜?
まあ、いいノラ。
ところでさっきの話の続きノラ。
お互いのメリットノラか……。
テレパシーで話を聞くだけなら、確かにオイラにとってデメリットにはなりそうにはないノラ。
じゃあオイラの周波数をネイピアに繋ぐノラ」
「サンキュー」
(ネイピア?
今からアイピスの会話の周波数が入ってくると思う。
準備しといて!)
(了解、ありがとう)
(ネイピア、聞こえるノラか?)
(ええ、聞こえているわ)
(オイラ忙しいノラ。用件なら手短にいうノラ)
(はいはい。
これから説明する話はお互いにメリットのある話よ。
つまり、共闘するの)
(共闘?
意味がわからないノラ。
馬鹿げていて呆れてものも言えないノラ。
オイラはアイラ様にはたくさんの恩がありお慕いさせていただいているノラ。
そんなオイラがおまえと協力してアイラ様と戦おうなんて、
宇宙が何回ひっくり返っても絶対にあり得ないノラ!)
(ちょっと落ち着いて。
私がいつ一緒に協力してアイラと戦おうなんて言ったのかしら?)
(え、違うのノラか?)
(ええ、違うわ。
私とあなたが協力して戦おうとしている相手は、
あなたに寄生し、確実に増殖しようとしている存在よ)
(な、何ノラか、そんな物騒な存在は!)
(あなたはまだ出会ったことは無いのかしら。
※|ℵ《アレフ》2に君臨する創造主《アドミニストレータ》の番犬。
強敵。
感情を持たず、ただ己の本能に従い
私達5次元少女のような異分子を徹底的に排除する超越因子《メタファクター》に)
※|ℵ《アレフ》2
自然数で数えることの出来る無限は
可算無限集合|ℵ《アレフ》0と呼ばれています。
実数の無限は自然数で数えることができないという意味で非可算無限集合|ℵ《アレフ》1と呼ばれています
二つの無限の違いは濃度にあり、
前者は可算濃度、
後者は連続体濃度と言うことができます。
|ℵ《アレフ》1の実数の無限に対して、
含まれる数それぞれに対応するベキ集合(選び方)の総数を加味した場合は当然|ℵ《アレフ》1の実数の無限より大きくなり、そのベキ集合の組み合わせを加味したさらに大きな実数の無限は|ℵ《アレフ》2と呼ばれます。
※【解説】超越因子《メタファクター》(架空)について
超越因子《メタファクター》とは5次限少女達よりも更に遥か上層の領域アレフ2に存在する創造主アドミニストレーターのペットです。
また、超越因子は5次元少女達のような物理学上の異分子《パラドックス 》を排除する為に働くセカイの 系《システム》でもあるのです。
実は、超越因子《メタファクター》は
以前にも一度登場しています。
|心層科学ファンタジー《イーハトーヴ》シリーズ
『一劫年の蓮姫〜生命40億年のスゴロク
★第1部★』
第2章
•2) 古生代~カリス帝国と伝説の地ティルク
第2章の後半部分に電磁気力を自由に操るタイプの超越因子《メタファクター》が登場します。
ネイピアとクオリア、2人の5次元少女が協力して挑みますが、そのあまりの強さに天才ネイピアも苦戦を強いられます。
興味のある方はそちらの作品も是非♪
さて、話は戻ります。
アイピスに向けて語られた超越因子《メタファクター》という言葉。
今回の超越因子はどんな能力を持っているのか。
ネイピア、ラジアナ、ナルータ、アイピスの4人に果たして勝ち目はあるのか。
ご期待ください。
【ネイピアの秘密】
一方その頃***
「アイラ殿!
私はアイピスの中に超越因子を誘い込むなんて聞いてないですぞ」
「ラムダ、落ち着くナリよ」
「しかし、そう言われましても……。
超越因子が出てしまっては、私の出る幕が無くなってしまうではありませんか」
「大丈夫、ラムダ。
ネイピアはきっと……」
「まさか、アイラ殿!!
ネイピア達が超越因子に勝つなんて言わないですよね!?」
「さぁ〜、どうナリかね、ふふふ」
「ちょっと待ってください。
何故そんな期待を?」
「ネイピアは既に超越因子を一体倒しているナリよ」
「それはもちろん私も存じ上げております。
しかし、ネイピア達が倒した超越因子は電磁気力のガーディアン。
奴ら超越因子達の中でも1番格下です。
しかし、今ネイピア達に差し向けた超越因子は、危険極まりないストレンジ物質です。
どこぞの世界の毒殺スタンドとは危険度の次元が違います」
「ああ、そうナリね。
奴に触れたものは問答無用で一瞬の内に奴の一部と化す。
確かに危険ナリね」
「では何故?」
「ラムダはネイピアの強さの秘密何だと思うナリ?」
「え?
勝利に繋がる戦略を立てること?」
「確かにそれもあるナリけど、違うナリね」
「え、違うんですか!?」
「質問を変えるナリ。
ラムダはネイピアが何故いつもああも冷静で落ち着いていられると思うナリか?」
「それは……」
「それは?」
「わかりません」
「ネイピアは
普通の物理法則が効かないからナリよ」
「は!?
それはどういうことですか?」
「正確には、物理法則は効くナリけど、
期待通りには効かないナリ」
「それはどういうことですか?」
「ラムダは微分方程式って知っているナリ?」
「あ、はい。
確か、自然界の現象を全て記述出きると言われる方程式ですよね」
「そう。
ネイピアは微分方程式で記述出来る対象との関わりの中での微分や積分に関わる操作に対しては、まるで四則演算の掛け算に使う数字1のように、
影響を与えることはもちろんナリけど、
受けることも無いナリよ」
「まるで幽霊みたいですね」
「そうナリね。
そして、ネイピアは自分から攻撃したくても簡単に出来ないナリ。
それは、微分や積分を使わない別の計算で代替しないと攻撃として発動できない制約があるからナリ。
だからいつもネイピアは自ら直接戦わずに戦闘の指示に回っているわけナリ」
「なるほど!
でも、相手が微分や積分が関わる物理法則に則った攻撃をしかけてきたときには……」
「だいたいの場合、攻撃が不発に終わるか、
違う形で効果が現れたりして、結局のところネイピアにはダメージは無いナリ」
「でも、敵から微分や積分に直接関わりの無い攻撃をされたら」
「それは確かにネイピアの弱点ナリ。
だけど、超越因子には高度な知性は無いんだナリ」
「なるほど、それで……」