いつも読んでいただきありがとうございます!
みなさまのおかげで、今月も無事にカクヨムリワードをいただくことができました。
ありがとうございます!
ギフトもたくさんいただいております! 感謝です!
本当にありがとうございます!
今回はいつもはサポーター限定で公開している小話を公開しております。
楽しんでいただけたら幸いです。
そして、「召喚スキル」の発売まで一週間となりました。
予約等が始まっていると思いますので、よろしくお願いします!
献本が届いたので、その画像も一緒に載せておきますね。
頑張ってたくさん改稿したので、
ぜひ手に取っていただけるとうれしいです!
イラストも挿絵も、超かわいいのでこちらも必見です!
**** ここから小話 ****
896話くらいの話――砂糖を試食するカイン視点
「カインくん、なんだかダイニングルームからみんなの声が聞こえてこない?」
「するな。どうやら俺たちは出遅れたみたいだな」
「ちょっと模擬戦に力を入れすぎちゃったわね」
ミーカが苦笑いしているが、それもしょうがないと思う。これからミーカはダニエラお義姉様の護衛として動くことが増えそうだし、他にも競馬シーズンになれば、来客が爆増するのだ。その警備とあいさつだけでも頭が痛くなりそうだ。
そんなことを考えつつ、ダイニングルームへ到着すると、頭を抱えているアレックスお兄様とダニエラお義姉様の姿があった。そしてその体面にはユリウスたちが座っている。
これは何かあったな。間違いない。
「ユリウス、今度は何をやらかしたんだ? 怒らないから、言ってみなさい」
「お姉ちゃんに素直に話してみなさい。怒らないから」
「いや、そんな悪いことをしたわけではないですよ?」
そんなわけない。悪いことをしていなければ、二人が頭を抱えているはずがないだろう?
そうしてユリウスたちから話を聞くと、どうやら早くもハイネ辺境伯家産の砂糖を作り出したようである。早い。理解しているつもりだけど、早すぎるぞ、ユリウス。
「なるほどね。それでできたのがこの砂糖ってわけか」
「見た目は普通の砂糖に見えるのだけど、そんなに違うのかしら?」
「キュ!」
ユリウスの代わりにミラが答えた。あの目の輝き。自分も食べたいとおねだりする目である。しょうがないな、ミラは。
「あら~、ミラちゃんも試食したいのね。それなら……」
「ダメですよ、ミーカお義姉様。ミラはさっきから散々砂糖をなめてますからね。これ以上はよくないです。ミラがまん丸になりますよ」
「キュ!?」
ミーカがミラに砂糖を食べさせてあげようとすると、それをユリウスが止めた。どうやらすでに試食済みのようである。そしてユリウスの「まん丸」発言に、自分のおなかを確認しては「フウ」とため息をついていた。
……どうやら丸くなるのは嫌なようだな。気にしていないのかと思っていたぞ。
せっかくの機会なので、ユリウスたちが作った砂糖を試食させてもらうことにする。ミーカが言うように、普通の砂糖にしか見えないんだけどな。何か違うのだろうか?
ペロリと砂糖をなめる。その瞬間、脳天を突き抜けるような甘さを感じだ。そしてあとからコクのような物が押し寄せてくる。何これうまい。とってもうまい。
「何これ、うまっ! いくらでも食べられそうだ」
「すごく甘いわ。それに、なんだかあとを引く味ね。とってもおいしいわ」
「二人とも、食べすぎないようにして下さいよ。そもそも砂糖はお菓子や料理に使う物で、そうやって直接食べる物じゃないですからね」
あまりのうまさに二口目を口に入れようとしたところをユリウスから止められた。くっ、よく見ているな。さすがにこの状況でさらに砂糖を食べるのはまずいか?
それなら夜に、こっそり調理場へ忍び込んで……。