今、
とても悩んでいる。
あの子を生かすか殺すか。
誤解のないよう言っておくが、
描いている小説の人物についてである。
もっと現実で、
悩むべき事が多々あるのは百も承知であるが、
その現実から目をそらす意味もこめて、
より力を入れて悩んでいるのである。
元々は、
殺す予定だった子なのであるが、
描き続けているうちに愛着がわいてしまったのである。
だから死なせたくない。
あの子は、
今まで散々苦しんできたのだ。
そしてようやく、
幸せを手に入れようとしているのに、
そこで死ぬなんて残酷すぎる。
描かない者はこれを聞いて、
ならば生かせば良いではないか、
と言うであろう。
しかし、
そう単純な話ではないのである。
では、
どう単純な話ではないのか、
と説明を求められても困る。
それを言語化し、
他者に説明できるほど弁達者ではない。
だから、
この文も中途半端に終わらせてもらう。
ああ、
あの子を生かすべきか、
それとも殺すべきか。