考えてます。
まぁ中々に考えてます。
一応、チェックポイント的にどう進んでいくかは決まっているので、
その通りに進むだけなのですが、
その上で、より面白い形で提供出来ないかと苦心しております。
今書き始めてしまうと、その『より良い』を逃しそうで、少し置いてます。
そんなわけで、SSを提供することでお茶を濁します。
これを書いた今から直で書き始めるので、色々ご容赦ください。
(1200字くらいになりました。
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高貴なお嬢様と風の噂で有名なのかもしれないお嬢様は、とある使用人が中々に訪れないことに腹を立てていた。
「遅いですわ」
いつものように横で侍るメイドは「まぁまぁ」となだめるも、高貴かもしれないお嬢様はおさまらなかった。
「今すぐ探してきなさい」
お嬢様かもしれないお嬢様はお茶にはうるさかった。
しかし、今探している使用人の淹れるお茶はお世辞にも美味しくはなく、『飲めりゃええやん』スピリッツのたまものだった。かもしれないお嬢様は当然満足できず、改善させるために直々に指導してやろうと息巻いていたところだった。
しかし、そのとある使用人は中々現れずしびれを切らしている。
そんな様子のお嬢様に、横の使用人は可哀想になって、「まぁいいか」と正直に話した。
「実はどこにいるかは分かっておりまして」
「じゃあ早く連れてきなさい」
「実は問題が――」
「私の呼び出しに応えないよりも問題があると思っていて?」
「お嬢様が実際に見に行かれる方が早いかもしれません」
「どうして主たる私が――」
と言うお嬢様を、使用人は「どうどう」と、馬を落ち着かせるようにして、ついに誘導に成功した。
そこはなんてこない使用人用の空き部屋だった。
扉を開けると、見覚えのある使用人が柔らかなベッドのぬくもりに包まれていた。
お嬢様は横の使用人に命令を下した。
「……起こしなさい」
命令を受けた使用人は「とんでもない」と、両手を前にして手を振った。
「見て下さい。こんなに可愛いのに邪魔しろと言うのですか?」
「この館の使用人に、昼寝をするという職務はありませんわ」
寝ている使用人の顔の横には、同じ様に気持ち良さげに寝る猫の姿があった。くるりと丸まって、腹部の辺りが呼吸に合わせて上下している。ベッドと同じで、真っ白な毛色をしているためにパッと見では分かりづらかったが、布団よりも柔らかそうな毛並みで発見出来た。寝る子だか寝子だか知らないが、とにかく腹は立った。
「さぁ、起こしなさい。多少手荒でも構いませんことよ」
「まぁ、まるで悪役のようなおっしゃりよう」
「誰が悪役令嬢です!?」
「言ってませんよ」
お嬢様はつい記憶から何かを引っ張り出してしまった。頭に浮かんだとある平民の頬をねじってやった。
「大体そこまで言うならお嬢様が起こしたらいいじゃないですか」
お嬢様は「それもそうだ」と、ベッドに近づくと――、
「……私がやるべきではありませんわ」
と言って、元の位置まで戻った。
「急にどうしたんですか」
「違いますわ。これは貴方の仕事に対する敬意ですわ」
「何を言ってるんですか」
「主たるもの、使用人の仕事を奪ってはいけない。これは貴方の職務を尊重しているのです。いいですわね?」
「全然よくないですが」
「いいから貴方が起こしなさい」
「お嬢様が先に起こしてください」
「貴方が先にやるべきですわ。――って、これに後も先もありませんわ」
「でもお嬢様が起こせと言うからこうなったんですよ」
「うるせえですわ。いいからやりやがれですわ」
お嬢はベッドから背を向けると、すたこらと逃げるようにとんずらこいた。
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誤字とかその辺は脳内補完でおなしゃす