『支配の輪郭』完結によせて
読者の皆様へ。
いつも物語を見守り、読み進めてくださった皆様に、心より感謝申し上げます。今回の物語は前回とはパラレルワールドという設定で作らせて貰いました。まあ、ぶっちゃけた話TVアニメ『まおゆう魔王と勇者』という作品のOPを担当されたYOHKO様の『向かい風』が南賀赤井が個人的に大好きな曲で勝手に頭の中で主題歌になるような作品を作りたいと夢見ておりこの作品を作らせて貰いました。歌を聴きながら話を見ていると作者として涙がずっと流れるような感動する内容となっております。そしてこの話が『支配の輪郭』の本編だと思って下さい。そして、本日主人公ジークの「支配の鎖から抜け出すための旅」は、最終章をもって終着点を迎えました。
物語は、路地裏でおこぼれに縋っていた一人の少年の絶望から始まりました。彼は旅を通じて、金、力、信仰、そして最も強固な愛という名の「支配の鎖」の多様な形を知り、そのすべてに抗おうとしました。
そして、その旅の終わりに、ジークが創造した「誰にも頼らずに生き抜く愛」という有限で予測不能な価値が、ライナスが背負い続けた無限の時間の呪いを解く、唯一無二の対価となりました。
彼の小さな「無償の創造」が、英雄の悲劇的な運命と、世代を超えた愛の連鎖を断ち切る鍵となった瞬間を、皆様と共に分かち合えたことを、心から光栄に思います。
「支配の鎖」は、私たちの世界のどこにでも張り巡らされています。 しかし、ジークとルイーダが共に歩み出したように、その鎖を断ち切り、自分だけの新しい価値を見つける旅は、決して終わりません。
ライナスの消滅が残した無限の哀しみは、きっとジークとルイーダの中で、「誰にも支配されない、新しい生」への確かな推進力となるでしょう。皆様の心の中にも、彼らの物語が、理不尽な世界に対する小さな
『絶望の火種』として、燃え続けてくれることを願っています。
改めて、最後までお付き合いいただき、本当にありがとうございました。
(南賀赤井より)