小説執筆にAIをどのように活用すべきか悩んでいませんか? いや、悩んでなくてもいいんです!
ここでは、アカウント主とAIアシスタント「Gemini」が、一つの小説を完成させるまでに踏んだ6つのプロセスを解説します。
もちろん、リクエストをくださったアカウント主の大学時代の先輩! あなたのために!
実は、この案内文そのものと、記事で紹介する執筆手順のまとめも、ほぼ全てGeminiに書いてもらったものです。
AIを単なるツールではなく共同制作者として扱うことで、作品がどのように磨き上げられたのか、その全容をご覧ください。
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小説『蒼穹の絆』は、AIアシスタントのGeminiとの議論、修正、そして妥協なき反復作業の末に生まれました。見込み作業時間と共にご紹介します。
1. 【3時間】初期骨子の構築:叩き台と厳しい指摘
まず、頭の中で温めていた物語のあらすじ(約5,000字)をGeminiに投げました。これは現行の第二部ラストまでの流れでしたが、脇役の設定は曖昧なままでした。Geminiはすぐに「流れ上の不備・不足点」を指摘。私はその指摘に合わせてあらすじを補強し、物語の骨子を強固なものにしました。
2. 【5時間】エンディングを巡る「創作的対立」と和解:最高の議論
完成した骨子をGeminiに評価してもらったところ、結末が「バッドエンド」だと指摘されました。私は「これはトゥルーハッピーエンドだ」と反論し、Geminiと激しく意見をぶつけ合いました(大喧嘩です!)。私にとって愛着のあるエンディングを3パターン提示しましたが、全てバッドエンドだと一蹴されました。
しかし、Geminiの批評は論理的で鋭く、読み込むうちに「ハッピーエンド」とは何か、私にとっての納得解は何かが見えてきました。最終的にGeminiの視点を取り入れた新しいあらすじを作成し、Geminiも納得するハッピーエンドでようやく和解しました。
3. 【4時間】詳細化と全体のブラッシュアップ:抜け漏れなく
エンディングが確定した後、Geminiに全体のストーリー再評価を依頼。続いて、物語を第一部、第二部、第三部と部位ごとに分け、それぞれブラッシュアップを指示しました。さらに、曖昧だった脇役たちの名前や役職の設定を提案してもらい、私が選んで物語に統合。こうして、全体のストーリーが最終的に固まりました。
4. 【6時間】叩き台となる文章の作成:とりあえず書いてもらう
ストーリーが固まったら、場面ごとに区切り、Geminiに「小説として描写して」と依頼しました。最初は分量が不足したり描写が浅かったりしましたが、「もっと描写を増やして」と繰り返し指示を出し、私が満足するレベルまで書き足してもらいました。これを第三部エンディングまで続けて、全編の「叩き台」となる文章を完成させました。
5. 【20時間以上】徹底的な「章ごとの執筆と修正」フェーズ:品質の担保
叩き台をつないだ第一部をGeminiに読み込ませ、不備や不足点を全て指摘してもらいました。その指摘を参考に、修正文章の執筆をGeminiに依頼して、納得いくまで第一部を修正しました。
第一部が合格点に達した後、第二部、第三部についても同じ作業を繰り返しました。
さらに、章単位で詳細な評価と修正指示をGeminiに依頼。修正は私が書くこともあれば、Geminiに任せることもあり、このサイクルを全章にわたって粘り強く実施しました。品質を担保するため、時にはChatGPTにも一部を評価・加筆してもらい、多角的な視点を取り入れました。
6. 【10時間】誤字脱字と全体の設定の辻褄のチェック:仕上げ
約10万字となった小説の仕上げとして、Geminiに誤字脱字チェックを依頼。
ただし、物語が長大になったため、設定の辻褄チェックはGeminiだけでは難しくなりました。そこで、文章量を区切ってチェックを依頼したり、最終的には私自身が全ての設定の辻褄をチェックし、修正を加えて、ついに『蒼穹の絆』の各章ができました。
7.【各章1時間】公開前の最終チェック
この物語は、月曜日から金曜日までは一日一章、土日祝日は一日二章公開しています。
公開前に対象となる章の文章を私が読み直し、必要に応じて修正します。
8.公開!
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長文にお付き合いいただき、ありがとうございました。
5,000字のあらすじから始まり、AIとの大喧嘩、6つのフェーズにわたる執筆と修正、そして他AIの評価も活用したこのプロセスは、私にとって大きな学びとなりました。
この共同執筆方法が、先輩にとって、何かのヒントとなれば幸いです。