陽の暖かさの中に寒さが残り、服を重ね着するきさらぎ。
ただよう空気の中に春のつぼみがいて、裸の木々にまとわりつく。
少年は夢を抱えて青年となり、春に溺れて大人になった。
日々の喧騒の中で磨かれた想いは誰にも告げられず、
変わりいく季節の底で静かに静かに発酵していく。
救われたいと思い、その気持ちを誰かに言おうとしても、
上手く言えずに変な奴だと思われ、
それが分かって打ちひしがれて、
塞ぎこむ。
良いんだよ。無理しなくて。
誰も君なんか見ていない。
恋とか愛とか、それが全てではないんだ。
夕方になり、夜が更けて、頭がくたくたになり、それでも朝はやって来る。
淀んで固まった後悔も柔らかい春陽が溶かして行く。
そんなー日(いちにち)がまた始まった。