前の近況ノートに記載した、17のヴァン・ヘルシングの妻についての翻訳をさらに手直ししました。ずっと考えていたんです。
“all gone-even I,”という文について。
私の最初の訳だと「全てを失った私でさえ、」
私はずっとこういう訳だと考えていましたが、昨日、光文社の『ドラキュラ』を入手しまして、
光文社の方には「私のこともわからぬが、」とありました。それで“gone”について調べて“行ってしまった”の他に“消失、過ぎ去る”等の意味があるのを知りました。そこで“all gone-even I,”を「たとえ私は、消失しても」と訳してみました。じゃあ、どこから消失したのか? それは彼の“妻の中”からと、光文社の訳をヒントに考えました。
ヴァン・ヘルシングは、自分の妻が心を病んでしまい、自分のことすら分からなくなってしまっても、それでも自分はこの妻の夫だ、と言ってます。どんなに辛くて切なくて孤独だったでしょう……。