メールを送る際、同一視していた西と東で見かけた二人のタヌキさんにメールを送っていて、西のタヌキさんから返信が来たとわかった時は想像が当たったことへの喜びか、返信が来たことへの喜びか、興奮して顔に血が集まっていたのを覚えています。
お互い都合の良い時間に合わせ始めた通話でタヌキさんは、まるで進路相談で話す先生を彷彿とさせる少しだけ諭す様な口調でした。
「同一人物か確定していないのに複数のプレイヤーに手紙を送るのはやめた方がいい」
「何かしらゲーム内の利益を求めてのプレイでは無い」
「貿易品の流通情報の収集が目的」
「運営に通報して修正されても良い。仕方がない」
「他の裏世界へ抜けるポイントは教えられない」
「有ると思うなら自分で探す事も楽しみ」
「ヒントは動きの多い大きいモーションやスキルや凹凸や継ぎ目の多い場所」
「タヌキ系キャラは探索用サブキャラ。メインは別」
「同じ事したいならサブキャラでやって遠征隊に迷惑かけない様にした方が良い」
「今後、ゲーム内で追いかけたり話しかけたりはしない。広めないで欲しい」
「守れるならこの通話グループを残して相手が出来る」
「仮に見つけたポイントは六分儀の座標で[E⚪︎"×"△",S⚪︎"×"△"]のエリア名と△だけチャットに書いて送ってくれればこちらは×を返す、ほぼ合っていればお互い⚪︎は判るからこれ以上はお互い書かない」
「知らないエリアの場所なら知らないと言う」
など、助言や説明を貰いました。
この通話の数日後、後先考えずに遠征隊を辞めてタヌキさんを驚かし呆れさせるの事も含め、ゲーム内外での行動が自分でも子供っぽくネット初心者丸出しだったと思います。
月額課金制で初期キャラクタースロット二枠、数百円で有料追加一枠。計三枠。
タヌキさんの説明を受けて、私はむしろメインで動かしてたキャラを探索用に残りを西と東の貿易用キャラとしてしまいました。
そして、不審な行動やアカウントBANで遠征隊へ迷惑を掛けない様に遠征隊除隊。
裏世界の入り口を探す旅を始めました。
> ↓ < ### 次の矢印まで時系列が飛びます ###
そこから約二年ほど、ちょっとした雑談と座標の△と×のやり取りをした場所で覚えている箇所は以下の場所だったはずです。
*西大陸
・リリエット丘陵:トロックスク山未公開エリア
・グィオニードの森:魂の安息所北&ボーンプレイス:ドラゴンティア湖
・ロングビーチ:妖精の帳
*東大陸
・イニステール:蜃気楼の丘崖未公開エリア
・ソングランド:リュート港からワンダー海沖海底
・サンライズ半島:スピリット高原崖
*海洋
・ゴールドシー&ワンダー海:狭間付近の孤島海底
・サイレント海:西大陸寄りの孤島海底
・フリーダムロード:西と東大陸キャラ復活地点間の海底
・グロウル島:NM海賊船が停泊してる桟橋根元
海沿いや未公開エリアのそばが多い点からわかる様に、総じて海底と大陸のテクスチャの継ぎ目が雑だなと感じました。
例としては、海底から這うように上がる途中で見えない壁に当たり海上へ上がれなかったりと、裏世界へ抜けられなくともおかしな地形は多々ありました。
残りのエリアは、壁や床を抜けても更に見えない壁と床が存在して裏世界を眺めるだけだったり、NMの攻撃に巻き込まれたり、樹木の成長に巻き込まれたり、モーション付き家具の設置と操作で抜けられたり……
特に、住居の庭に特定の家具を設置する事で下に抜けられるのは土地代が掛かる事を抜きにすれば大変簡単で、住居扉が通り抜けられ難くなってからは既に構えていた拠点周りを観るのに重宝したそうでした。
> ↑ < ### ここまで 閑話休題 ###
大陸のあちこちで壁や屋根に体を押し付けたり踊ったり寝たりと、可笑しなことをしていれば話しかけられたり通報しますと言われたりする事がありましたが。あまり注目自体はされて無かったと思います。
なにせサービス開始から一年近くの経てば勢力チャットなどで「グィオニードの森の大樹の門」「ツインクラウンのコロッセオ」「マハデビの王墓IDの扉向こう側」「オーステラの劇場床下」などへ入った抜けたと声をあげるプレイヤーも多数いて、そういう遊びとして暗黙の了解的に黙っているプレイヤーは多かった様です。
知っていて黙っている。その最もなプレイヤーは海賊プレイヤーで、フリーダムロードでは海賊キャラが既に裏世界側に入っていた時は驚きました。
思わずSkypeチャットでタヌキさんに聞いてしまうほどで、それはタヌキさんも既に知っており各大陸の遠征隊でも何処かに居るとは思っているし、外側で待つか内側で待つかの違いしかなく自分達と同じ穴の狢で通報は出来ないのだから無視してあげてと聞いて「(流石に妨害目的で貿易島の裏世界で監視待機は害悪が過ぎるのでは……?)」と思いちょっとだけ納得が出来ませんでした。
こういった内容でSkypeでやり取りを始めて数ヶ月経ち、年を越してアーキエイジのプレイが月額課金制から基本無料化になった頃、タヌキさんから「とある遠征隊の貿易品の流れを調べるのを手伝ってもらえないか」と連絡が来て、私は「自分に出来る事ならばやります」と、タヌキさんにお願いをされる位には信用されたと喜んで返事をしました。
タヌキさんから「詳しい理由は別のグループで話す」と招かれたSkypeのグループは私を抜いて、タヌキさん(仮名)、キツネさん(仮名)、ウシさん(仮名)、ライオンさん(仮名)の四人グループでした。
タヌキさん、キツネさんは私と同じ正式サービス開始組でAサーバー(仮名)。ウシさん、ライオンさんの二人は無料化後の別Bサーバー(仮名)。タヌキさんとキツネさんは労働力が無くなったらBサーバーへ行って四人でIDを回ったり貿易品を運んだり遊ぶ事もあるとの事でした。
そして詳しい理由は、貿易メインでプレイしてるキツネさんが怪しいプレイヤーがいるので調べたい、と言ったからでした。
「最近、常に貿易品を運んでるキャラがいる」
「作り溜めしてるにしても三〇〇個近く納品してる個人が気になる」
「PvP好きプレイヤー達は誰も戦って無いのに紛争状態が進んでる時がある」
「タイムスケジュール的に明らかに大陸間の紛争・戦争・平和のサイクルを合わせてログインと納品してる」
「三〇人遠征隊だけど隊員は代わる代わる二、三人ずつ一日中ログインしてるのに、隊長はデイリーか特産品関連の時しかログインしない」
「勢力チャットで自我が出るのが隊長だけ」
と言う話だったはずです。
こうしてほぼ中身が隊長一人の遠征隊が不正にBOTとマクロ利用をしてないか調べるのを目的として、タヌキさんからは簡単な住居扉すり抜け方法を、キツネさんからは確認出来てる西大陸遠征隊キャラの居住リストと貿易品産地・製作者を教えてもらい手伝う事になりました。
※通報乱発は危険だから、事前調査という事でした。(棚上げ)(不正利用してないから)(極厚の面の皮)
※この時点でたぶんタヌキさんもキツネさんもアカウントを三つ以上、最低六キャラ以上使ってたんですよね……