いつも『ジパング伝記』をお読みいただき、ありがとうございます。
今日はお詫びとお知らせですがあります。
現在連載中の『ジパング伝記』「議事堂の三人」の連載を中止したいと思います。
更新を楽しみにしていただいている方には本当に申し訳ございません。
以下に連載中止の理由を述べたいと思います。
①話のスパンが長く、終わりが見えない。
「議事堂の三人」では憲政の開始から大正初めまでのおよそ四〇年を描くつもりでしたが、現在文庫本換算で九〇頁近く書いていながら、全体の四分の一にも達していません。
楽観的な見通しで書き始めましたが、この長い期間を一章にまとめるのは、やはり無理があったと今更ながら思いました。
②日清・日露戦争は一章として別に書きたい
「議事堂の三人」が対象とする時代には日清・日露戦争期が含まれますが、この近代日本を形成において重要な二つの戦争は、やはり別の一章を立てて描きたいと思いました。
③通史はやっぱり難しかった。
これまで『ジパング伝記』では特定のテーマや人物に焦点を絞り、テーマ史・人物史的なアプローチで架空の歴史を描いてきました。
それに対し「議事堂の三人」は初めて通史的な描き方に挑戦した作品でした。
しかしながら通史とは、プロの歴史学者でさえ書くのが難しいと言われています。
ただでさえ難しい通史を、架空の歴史を創作しながら書くのは、少なくとも今の私の手には余ることであったと思いました。
以上の三点の理由から「議事堂の三人」の連載を中止したいと思います。
作品はこのまま残しますが、またいつか書き直したいと思っています。
最後に読者の皆様に改めてお詫び申し上げます。
この経験を糧にして、またテーマ史や人物史を中心に書いていきますので、今後ともよろしくお願いいたします。