どうも、SENです。
投稿開始2023年8月28日、完結2026年7月11日。大体3年の連載となりました。文字数、期間共に自身最長となり、評価数PV数も過去最高の作品となり、無事に完結できてまさに万感の思いです。
作品が長かったり、何回か一か月以上投稿期間が空いたり、そんな中で最後まで読んで下さった読者の方々には感謝してもしきれません。この作品を書ききれたのはひとえに読んで下さった皆さんのおかげです。本当にありがとうございました!
さて、私自身の想いはここまでにして、作品についての裏話でもしましょうか。
この作品の展開について、二つほど大きな転換点がありまして、まず一つ目は綾音の両親についてです。
本編では実はいい両親だったが、綾音が自分の本心を隠したことですれ違ってしまったという展開でしたね。しかし、初期案は「私の娘なら一人でやり遂げて当然です」みたいな、まぁ言ってしまえば毒親で、南が綾音のために説教をかますという展開でした。展開を変えた理由については、千夏の存在がかなり大きいです。書いていくうちに、千夏が毒親で悩んでる綾音を助けないわけないと思うようになりました。千夏は強く聡い子です。毒親に苦しめられる親友を見逃すはずありません。つまり、千夏がどうしても解決できない問題を設定する必要があったんです。それにそもそも私は毒親を話に組み込むのは好みじゃないですし。なんか安直な気がして。じゃあ綾音自身に何か問題があるということにしようと思い、本編の展開になりました。
南が綾音と交流する中で、南は少しずつ距離を縮め、綾音は南の言葉で自分の本心を理解していく。この構造が物語としてうまく機能してくれたと思います。
二つ目は北見桐絵についてです。はっきり申し上げます。桐絵は初期構想に居ないどころか、99話「告解」を書き始めるまで存在しませんでした。なぜかと言いますと、「綾音が南の声にしか興味がなかったという事実を打ち明け、それに南がひどくショックを受け、綾音と仲違いする」というのが当初の考えだったのですが、改めて書いてみると、そんな怒ることか?となったからです。
99話までの展開で、綾音が南の声を利用していたという事で、南に不都合なことは何一つ起こりませんでした。むしろ、特別な関係を築くきっかけになったとすら言えます。最初は全く興味がなかったというのは事実ですが、南にとってそれは今の幸せを掻き消す理由にならない。ただ、「今更そんなこと気にしないよ」で終わってしまっては味気ありません。そこで登場したのが北見桐絵、過去の恋人という存在です。綾音の告白が過去のトラウマと重なることで南の拒絶を引き出す。我ながらとんでもないアドリブをかましたものです。そのせいでバンドで大成功した直後に南のメンタルをどん底に叩き落すというジェットコースター展開になってしまいましたが、スピード感があってあれはあれでよかったと思ってます。
長編を書いているとやはり初期構想通りにはいかないもので、そういった意味でもいい経験になったなぁと。本当に我ながら桐絵ちゃん登場はファインプレーだと思ってます。主人公である南のバックボーンがより重厚になりましたし、展開にも厚みが出ました。サンキュー桐絵ちゃん。
次はキャラについて。私が一番語りたいのは、椎名葵です。彼女は南を大切に思う優しい親友というだけのキャラでした。南の相談に乗ったり、恋する南のサポートをしたり見たいな挙動を想像してました。それが大きく変わったのが55話の「相神の変化〜天金千夏と椎名葵の場合〜」です。なんか千夏にちょっかい出し始めたんです。いや、書いてるの自分じゃんってなるかと思うんですけど、本当になんか勝手に動いたんです。千夏の片想い設定は最初からあったんですけど、それをいじくりまわすのが彼女だとは全く思っていませんでした。物語でキャラが勝手に動き出すって本当なんですね。創作って素敵だ。
次に語りたいのは、佐藤、田中、木村のモブトリオです。名前の通り、初期構想の彼女らは綾音の取り巻きABCでノノちゃんをいじめていた三人程度の存在でした。それがいつの間にか、木村の言葉がノノちゃんを繋ぎ留めたり、ステージで歌えない南に佐藤がアドバイスしたり、サブキャラを名乗れるくらいの活躍をしてました。三人のモブがいつの間にかキャラクターになってたんです。そして、この三人がキャラクターになってくれたからこそ、ノノちゃんのエピソードもしっかり描けたんだと思います。やっぱり長編は空白が勝手に埋まっていく感覚がたまりませんね。
さて、長々と失礼しました。とにかく、これで「推し知ら」は完結です。一つやり遂げたなぁという感覚はありますが、投稿はこれからも続けていくつもりです。百合コンテストもやってますしね。次回作についてはいくらか構想があるのと、「クーデレ幼馴染が私のことを好きすぎてやばいんですけど?!」の続きを書いていけたらなぁと思っています。いつになるか分かりませんけど、朔と野崎ヒメの二人の話もスピンオフ兼続編みたいな形で書きたいとも思っています。
それでは、また次回作で!