アイのカタチ最後までお付き合いいただきましてありがとうございます。
彼等の物語はひとまずここで完結とさせていただきます。
気付いている方もいらっしゃると思いますが、彼等の自認と、本来のセクシャリティが実はずれているキャラが複数います。
章のタイトルは自認の方になっているのでアレ?と思われた方もいるのではないかと……
でも、セクシャリティってそれでいいと思うんですよね。気付いて変わるものもあれば気付かずそのまま生きていてもいい。そう思います。
愛衣はアロマンティックですがアセクシャルでもあります。でも、愛衣にとっては『恋』が出来ない事が重要でした。
海音はクロスドレッサーという自認ですが、本当はトランスジェンダーです。しかしながら、子供の頃から『男らしく』、『女の子が好きなものが好きなのはおかしい』周りの大人や友達からそんな呪いを受けて育ちました。海音くんは素直で周りの期待に答えようとする子供だったので自分でもそう思い込んでしまったんですね。そして、大人になってからは自分で自分に呪いをかけています。
そして、暁斗は自覚がないパンセクシャルです。ゆうちゃんもそうかも。
実際にアライなのは聡ですね。
それを踏まえてカイとアキの関係は、あえてあやふやなままにさせていただきました。
別に恋人関係になる事、結婚だけが全てではないと思うんですよね。あやふやな関係を続ける事。そんな愛の形があってもいいのではないでしょうか。
たとえばこの後、お互い自分のセクシャリティに向き合い、気持ちに気付いて一緒になる未来もあるかもしれない。異性が好き、そう言いながら実際はお互ちゃんと恋愛対象に入っているんです。
その時はきっと、周りを巻き込んでバタバタするんでしょう。
逆に、一生気付かないままでもいいと思います。カイもそのまま男として生きて、お互い、女性と結婚し、家族ぐるみの付き合いを続ける。きっとカイの奥さんはクロスドレッサーなカイに理解のある人で、一緒に買い物とかにいくんです。アキが結婚する人は絶対にマイノリティーに理解のある人だと思います。
だから、結婚したあとも家族ぐるみの付き合いで、一緒に買い物にいったり、出掛けたりするのではないでしょうか。
『きっかけ』に出会うか出会わないか。
どっちがいいとか悪いとかなくて。どっちに転がっても彼等は幸せになると思うんですよね。
伊勢崎はきっと、同棲を始めるまでずっとグルグル考えすぎると思います。でも、彼等はそれでいいんじゃないかな?同棲を始めてしまえば、穏やかな生活が待っている。そこまでの道のりが長くても。みんながみんなあっさり開き直れる訳じゃないですし、受け入れるのって勇気がいりますよね。彼等は彼等らしく…東雲さん振り回されまくってますが、そういうのもひっくるめて彼等らしさなんだと思います。何かきっかけがあって、同棲するの早まるかも知れないですしね。
ゆうちゃん。最後結構ぶっとんだ発言になってしまったかもしれません。でも、そうやって子供を持つのもいいと思うんです。同性カップルの子供は不幸、なんて外野はいうかもしれません。でも、幸不幸は他人が決めることじゃないですよね。差別や軽蔑、偏見なく、子供を不幸にさせない環境が作られればいいと思います。
マイノリティもその子供も、誰も悪くないんですよ。
アライなんて言葉が必要なくなる、理解があるのが当たり前な世の中になればいいのになぁと思います。
実際問題、トランス女性のフリをして痴漢を繰り返す犯罪者みたいなのは少なくないそうなので、問題は山積みなんでしょうが…。
なんの憂いもなく堂々と綺麗事が言える世の中になってくれればいいのになぁ…