「妖魔に取り憑かれるたんびに腹下すって、変な体質だよなまったく」そうコメントするのは聖雅より三つ下の従弟、風道《ふどう》だ。
「変なっていうなよ。深刻なのに」武逸が口を尖らせる。
「お祓いに行ったらどうですか」禎輔《ていすけ》が言うのを適当な席に座りながら聞く。
「お、今回珍しくジャストフィットだ」隣に先に座っていた圭太が何故か嬉しそうに発言する。
「行かねえよお祓いなんて。金勿体ねえ」武逸は拒否する。「聖雅に解除《げじょ》してもらうよ」斜め前方から指名してくる。
「ん」聖雅は初めて会話に参加した。「幾らで?」
「えっ。金取るの、従弟から?」武逸は目を見開く。
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