私は、バックヤードで小さくガッツポーズを取っていた。
まだ、心臓がバクバク言ってる。
中学校時代の同級生と久し振りに再会できた。
彼、眞道宗一朗くんは私の初恋の相手だ。
お店に彼が来た時に、中学時代の彼の姿が重なって見えた。
約10年…いや、正確には5年振りに宗一朗くんを見かけた。
成人式のあの日が最後だった。
昔と違って、随分と大人びていて話していてもドキドキしていた。
彼と同じ高校に行った友達経由で、高校時代の話は聞いている。
それに、大学時代の事も…それから、今の仕事の事も。
ずっとずっと会いに行けなくて。
勇気が出なくて…。
きっと、宗一朗くんは私の事は覚えてないかもしれない。
でも、私は覚えている。
優しい彼の事が好きだったから。
折角、連絡先も交換で来たしこれからは頑張ろう。
小川の里にキャンプに行くって言ってたよね。
予定を聞いて私もその日に休みを取って…えへへ、もう逃がさないからね。宗一朗くん。