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【第9回カクヨムコンテスト参加の皆様】『はちぶんのいち』あとがき【おつかれさまです】

※ネタバレ注意!
『はちぶんのいち』最終話までお読みになっていない方はぜひ、『はちぶんのいち』をお読みください。


皆様、おつかれさまです。
雨は、無事、本日の朝に『はちぶんのいち』が完結いたしました。
以降は、『はちぶんのいち』のプロット段階からの流れについてと、補足です。



「まならい」完結・応募後。
今回のカクヨムコンテストに応募するなら、ファンタジーかSFにしようと思っていました。
プロット作りはとても楽しかったのですが。
いろいろ、プロットを練る度に、没プロットが増えていきました。
(雨特有の初期設定膨らませ過ぎ問題が発生していました。)
それで、ファンタジーとSF以外に挑戦してみようとなりました。

カクヨムの小説設定のジャンルとして「ミステリー」か「ホラー」か「現代ドラマ」で悩みました。

もし、ミステリーを選んだら。
架空の広域事件を題材にしたクライムノベルするか。
架空地域内でのコージーミステリーにするか。
「殺人事件が起きない」ミステリーにするか。

でも、プロットの初期の段階で、ミステリーの謎解き要素が全く無いかったので。
じゃあ、「ホラー」か、となりましたが。
怖い存在である優木先生の出番も、優木先生が誰かを怖がらせるというのも違うな、と何故か思いました。

その「違うな」と思ったことを突き詰めていって。
この物語の中心と大まかな流れは、「グルーミング」だ、と定まりました。
ただし、主人公の女の子が「グルーミング」に無自覚な小学生の設定のため、作中には「グルーミング」の言葉そのものは一切出て来ません。
「洗脳」や「性被害」の自覚も、「わからない、知らない」と言う女の子でした。

絶望系の「ホラー」ジャンルにすべきかなと迷いに迷って。
結局、暫定的に「現代ドラマ」のジャンルを選びました。
国内で現代ドラマというと「恋愛系」が占めていると思うのですが。
「社会系現代ドラマ」ということでご了承ください。

また、カクヨムコンテストの応募部門も悩みの種でした。
「恋愛もの求む」という感じだったので、枠にとらわれない「エンタメ総合部門」を選んで応募してみました。


優木先生のモデルはおりません。
この物語では、架空の社会で、「グルーミング」と「マーダー」を兼ねていた優木先生というキャラクターを作りました。
ただ、雨は「グルーミング」と「マーダー」は本来、地続きでは無いと思っています。
実社会で、子どもを誘導・操作するのが上手い優木先生のような人間はわざわざ子どもの命を奪う必要は無いのです。
悪い言葉遣いをすれば、子どもを生かして「使い潰す」・「搾取する」。あるいは、「長期間愛用する」なのかもしれません。


架空ではありますが、「グルーミング」を受けた真白ちゃんは優木先生をこれからも庇い続けるかもしれません。
でも、真白ちゃんのような存在をどうか怒らないであげてください。
もちろん、真白ちゃんのような存在を傷つけるような言葉もです。
何故ならば、真白ちゃんのモデルはたくさんいるからです。

真白ちゃんのように、「可愛がってもらった」とか「お世話になった」とか、優木先生のような支配者に「敬愛」を抱き続ける人もいます。

また、「女の子」という特定の性別に限らず。
外傷を負わされず、また命を奪われていなかったがために、「グルーミング」に気づいていないまま大人になった子どもがかなり多くいると思います。

学校だけではありません。
習い事。
家庭。
スポーツ。
医療福祉。
災害・戦争などの非常事態下。
密室でも。
公共の場でも。
いつでも、どこでも、誰でも。
この実社会から「グルーミング」が一つでも無くなることを祈っています。


そして。
「グルーミング」に気づかずに被害を受けている人。
「グルーミング」の苦しみに気づいた人。
過去の「グルーミング」に今も服従を強いられている人。
自分(あるいは他の誰か)の「グルーミング」の被害事実を信じることが出来ない人。
どうか、たくさんの人に出会うことを恐れないでください。

真白ちゃんに銀河君が、黒井君が、六角図書館の自習室の仲間が、学園高校の校長小橋さんが、救急隊員の海崎さんが、不動交番の佐藤さんが、羽宿警察本部の三井さんが、羽安霊園の方々が、星雲石材の羽田さんがいました。
物語は終わってしまいましたが、きっと、あの世界線が続いているとしたら、フェザーズ法律事務所所属弁護士の明門さんが真白ちゃんを害悪から守る手段を講じてくれるでしょう。

そして、生身の人間が駄目でも、良いと思います。
人が作った物に出会うことも、自分の糧になっていくはず。
どうか、小説だけではなく、漫画、アニメ、ゲーム、音楽、ドラマ、映画、ドキュメンタリー、動画との出会いもありますように。


『はちぶんのいち』は完結済みになりましたが、フォロー/★/エピソード応援(ハート)/応援コメントをいただけると、作者の雨が喜びます。


では、おやすみなさい。

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