「ゆで卵と恐蜥」が無事に完結。
あっという間でしたね。トカゲ人間との日常。時系列的には、1999年12月の、ほんの2週間くらいを描いているので、文字数としては10万文字前後が丁度良いと思って書き進めました。設計した通りに進めることができましたが、一方で地の文から台詞まで、今までにない形を取り入れることを意識したので、その辺りは少し大変でした。
エヴィツィリ。
私の中でランキングを作るとすれば確実に上位へ入るほど、悲しいキャラクターです。政治と権力の都合で突如として怪物へ変貌させられた彼は、何を求めていたのでしょうか。
愛か。
平穏か。
過去か。
復讐か。
けど、何を求めるにしたって叶うことはありません。既に「Hazardous Flowers」を読んでくださっている読者様方はお気付きでしょう。エヴィツィリが歩んだ1999年以降の人生を。未来で彼に向けられる感情が、せめて愛だったら良いな……なんて思いながら、私は最終原稿を書き上げました。
エヴィツィリの台詞は中盤から終盤にかけて変化します。前半こそ天然ボケが愛らしいコミカルなキャラクターだったのに、後半以降は惨めさが上回ってしまう。知識を得るということは、己が何者なのかを知るということ。それは必ずしも喜びだけをもたらすとは限らない。そんな彼の場合、自分の正体を知ってしまったわけです。それは様々な意味で知る必要の無いことで、苦悩が増すばかりか、自らの存在を危ぶまれてしまった。こ
主人公との出会いもまた、エヴィツィリに何ももたらしませんでした。マクロ的に考えれば少しは何かしら影響があったのでしょうけど、最後は全てが消されてしまう。葛藤の果てに、主人公はあの選択をしてしまった。というか、ああするより他なかった。ごくごく自然な行動だと思います。人間的という一言に尽きます。傍らのトカゲ人間が何と思ったかはさておいて。
違う人と出会っていたら、エヴィツィリには違う未来もあったのかな?
どうでしょうか。
この物語はフィナーレを迎えましたが、エヴィツィリに関しては今後も何かの形で小説に登場させたいと思います。もっと彼に楽しい思い出をつくらせてあげたい。そうでもしなければ、私の心が落ち着きませんから。
今週はここまで。
来週もたぶん書きます。
雨宮妃里