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お盆、迎え火、カサブランカ

ちょっと色々あって時期を逸しましたが、
新作について紹介と裏設定を、少々語りたいと思います✨

【以下、若干のネタバレ要素を含みます】
可能でしたら、先に作品をお読みいただけると嬉しいです✨

『縁側のカサブランカ』
https://kakuyomu.jp/works/16818093082393134100





この作品、ご覧の通り犀川さまの企画に応募するために書き上げました。
実は、別作品もあったんですけど、色々欠陥だらけでしかもテーマを盛り込みすぎて、結果修正が困難になったので一旦ボツにしましたw

で、今回は前作の欠陥を踏まえ、気を付けながら書いてみたのですが、完成度はほんの少し上がった分、勢いと感動要素が少し薄めになっちゃったかもしれません。果たして、どんな感想を得られるのか……まあ、賞狙えるようなもんではないと思いますけど、一大派閥の企画ですので、顔出しておけば少しでもあたしを知って貰えるかもしれないという打算的な出展です💦 あたしにはこうするしかないの💦

で、裏設定というか、
8000文字の壁になんとか納めるために結構削った要素があるんですよね。

【以下、裏設定とネタばらし】


削ったエピソードとしては、
夏子ちゃんのお母さんを呼んで、三人でかつての生家に立ち寄り、三人でカサブランカを見る、
というシーン。
削った結果、お母さんは一度も登場しないという事に💦

お母さんに乱暴をはたらいた男が逃げる時に、縁側の花畑をかき分けて逃げたため、カサブランカの花粉が服に着いていて、それが証拠になった。
という回想シーンも予定していたんですけど、文量とミステリー風味が作風のノイズになりそうで、カットしました。

離婚の原因は、
結婚後夫婦に子供が出来ないのは、母親が同居しているせいだ、という夫側の両親の心無い言葉の数々、それに同調する夫。やがて、夫との心も離れていった、という事情。
これはどこかで挟もうと思っていたのですが文量的にあえなくカットに💦
代わりに短く○ソ役人エピソードを添えました。
田舎の役人はホントク○です。

『また二人で花屋の露店をしよう』
そう言って双方の家族で協力して家の前に天幕を張り、畑に残っていた花を切り花にして、隣町で花の仕入れもして少し賑やかな花屋さんをする。
それが終わったあと、夕焼けの縁側で二人の心が一つになり、

いまなら、村の空気もそんなに険悪じゃない。結果的に夏子ちゃん家族を追い出したという、心ない村人にも負い目があるだろう、それが証拠に花屋さんは大盛況だったよ。
今なら二人を守っていける。
一緒に住もう。
ぼくは、お母さんを追い出したりしないよ。
と言い、夏子ちゃんも
「馬鹿だよねあたし、初めから玲弥くんにすればよかった」
ごめんなさい、とまた謝る夏子。
「ちょっと、道に迷っただけだよ。僕は、ずっと夏子ちゃんが帰ってきてくれるのを待ってた」

実は二人とも名字は三崎で結婚しても変わらないし、なんて軽口を言いながら。


………

などというちょっとしたエピソードが随所に散りばめられる予定でした。
ですが……8000文字の壁は苦しかった💦
冒頭の解説シーンをあっさりしたものにすれば、どれか一つくらい盛り込めたかもしれませんが、田舎の空気をちゃんと解説しておかないと、急いで結婚してまで二人が村を離れた理由が伝わらないと思い、この形になりました。

皆様の心に触れる物語になれていたなら、幸いでございます✨


8件のコメント

  • 相変わらず描写が濃かったです!
    自分だったら、田舎の空気描写を減らして、玲弥とのハピエン入れたい……。
    主人公全面タイプなので!
  • お読みいただけてたみたいでホットしましたよ✨
    ちおりんとのいちゃラブだけ注目されてるんじゃないかとちょっと心配になりましてw

    自分の頭の中には上記のシーンが全部入ってるんで、それでも明るい展望のある終わり方になったつもりなんですけど、読者的にはどうだったんでしょうね?
    ちょっと曖昧な終わり方過ぎたかなぁ、という心配も💦
  • 様々な物を削ぎ落とされていたのですね…
    私は投稿なされた作品のしっとり感が好きでしたが、産みの苦しみがあってこそのあの完成度凄いと思います。
    お写真が件の「松明かし」でしょうか?
    見られて嬉しいです。
  • 完全に個人の好みですが、最初の松明かしの説明と描写がちゃんと体験している方だな、すごいなーと思って読み始まりました。

    全体的に落ち着いたトーンで進む中でも屋敷林を切るおじいちゃんの覚悟や、雨戸を開けた時の色彩はファーっと(語彙力)自分的には盛り上がって感動しました。

    熱いのよりしっとりしたのが好き、と言う完全なこちらの好みです笑

    もちろん最終的には作者さんの納得出来る状態が一番だと思います。
    でもこれはこれで残して頂いて笑
  • 太刀山いめ さま

    お読みくださり感謝申し上げます✨

    お察しの通り、写真のものが先ほど灯してきた松明かしでございます✨
    先日の雨で、手前が埋まっちゃってますけど💦 火の下には平べったい天然石が敷いてあります。
    これから、3日間灯し続けます(連続ではなく気がついた時と夕方に灯す感じ)
    家の前で焚く迎え火と送り火は、今もやっているところをそれなりに見かけますが、お墓の墓石前の松明かしは、作中の描写の通り、20年ほど前の墓地の近代化改修で、ほぼ廃れてしまいました。
    うちでも、たま~にやるくらいです。
    あの、すべての墓石の前で焚かれた松明かしが煌々と夜空を焦がす風景は、私の心の現風景でもありました✨

    作品が心に触れてくださったなら幸いです✨
    もし、文字縛りがなかったらどんな物語になっていたか、自分でも少し興味というか後ろ髪引かれる想いですが、一度世にでた作品をあんまりこねくりまわすのも、違うかなぁ、という思いもあり、この作品はこの形で一応の旅立ちとさせていただきました✨
  • ぬりや是々 さま

    お読みいただいて感激でございます✨

    冒頭の描写は、まんま私の毎年の日常ですのでリアリティというより単なるリアルでw 伝わるかどうか心配もあったんですけど、空気感が感じていただけたようで何よりです✨

    実は、屋敷林を伐るシーンは、冒頭の説明とリンクしてまして(言われるまで忘れてましたw作者失格ですw)
    掘り出した松の根は、この屋敷林にあった松の木の根なんですよね。掘り出してる最中に体調を崩してそのまま入院、亡くなる。という…
    だから、玲弥くんはじいちゃんから色々教わってたんです。そのまま割っただけじゃ松薪にはならんぞ、ちゃんと割って天日で干して寝かしてから使えよ、とか、色々。

    実は、屋敷林の文化はうちの地方では一般的じゃなくて、もっと東北でも南の平野部のほうに多く見られる生活様式なんです。その辺はフィクションですけど、じいちゃんが残した山と樹、というのはリアルでもありますので、その辺が感じられると嬉しいです。
    大切にしていた林の樹を伐るという覚悟は、死期が近いことを悟っていたともとれる、そんな心の内を感じさせるものになってくれればと願いながら書きました✨

    お好みの物語になれていたなら幸いでございます✨
  • 屋敷林、コチラでは「いぐね」と言ってまだちょこちょこ残ってます。
    松明かしの木がおじいちゃんの切った屋敷林かな、というのは読んでいて感じました。でも屋敷林だと杉かなぁ、と思ってましたのでリンクしてると聞いて激アツです笑
    ありがとうございましたー✨️
  • そう、そうなんです💦
    屋敷林は普通杉ですよね✨
    その辺もあって、明記はしなかったんですけど
    フィクション混じりだし、うちの地方だと杉より松林が多いんで、うちの地域に屋敷林があったとしたら、たぶん松の木も生やしてるだろうなぁ、という想像で書きました✨

    ちょこちょこ残っている、ということは、やはり減少傾向なのでしょうね💦

    作中のおじいちゃんも、現代様式にはもはや合わないという危惧もあって、いずれ伐らねば、と思っていたという背景もあります。

    実際、うちの地方でも立派に手入れした山を残してくれても、次の代の人が山にも樹にも全然興味が無くて、二束三文で売り飛ばす、何てこともありますのでね。
    作中の家族は、興味と理解はあったのですが、現代人の職業に就いていて、自分で樹を伐るなんてことは出来なかったという背景があります。
    すなわち、代替わりしてから、いざ伐るとなると、樹の資産価値以上の伐採費用が掛かってしまって、資産価値としてはマイナスになってしまうんですね💦

    そうならないためにも、じいちゃんは生きているうちに自分で伐っておきたいと思っていた、という背景がありました。

    文化に通じてる人に読んで貰えると、作品が生き生きしてくる気がします。ありがとうございます✨
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