他所様で興味の惹かれる記事がございましたので、あたしも自身のルーツとなる作品についてを──。
私自身、小説を書こうなどと思ったことは……無くはないのですが、こんな人様にお見せするようなものを書けるとも思っておりませんでしたので、当時を思い出すと隔世の感があります。
学生の頃の作文や読書感想文等というのは、面倒くさいのただ一点。
いかに規定の原稿用紙○枚以上、という要件をクリアさせるか、只それだけのために書いている人が殆どだったように思います。
斯くいう私も、そんなダメ学生の一人だったわけですが、課題図書として配られた小説を読んで……結構衝撃を受けました。
曽野綾子氏作「太郎物語」
まあ、有名どこですので読んだこともある方もいらっしゃると思います。……年齢バレ注意ですが、テレビドラマにもなったらしいですので、見たことのある方もいらっしゃるんじゃないかと✨
学校で配る本に面白いものなんか無い、そう思っていた私の概念がひっくり返りました。小説ってこんなに面白いものなんだ、コレ、学校で読んでいいやつですか!? というくらい、まるで漫画本を手渡されたかのように、むさぼるように読んだのを覚えております。
あまりに面白く、あっという間に読んでしまい、書いた感想文が高校文展に提出されたほどでした。
読み終わったあと、担任(現国教師でもあった)に面白かったと告げると、大学編もあるのよ、と教えられ……その後、自分で古本屋に行って買って読むという行為にまで及んでしまったほどでした。
楽しく読む、楽しんで読む、ということを教えてくれた、貴重な一作でした。
その後10年以上経ってから、色々あって──
なにか読んでみようと思ったときに、改めて手に取ったのが同作者の著作の数々。
読んでみて意外に感じたのが、
この方の短編集は、良くも悪くも「普通」だなぁという印象だったこと。
最初に読んだ作品が長編だったせいで、私の感性が長編にアジャストされてしまったのか……それは定かではありませんが、短編だと魅力が伝わる前に物語が終わってしまう、そんな「喰い足りなさ」を感じてしまうことが多かったです。(後で考えると、多分あれは雑誌の短編コーナーに掲載されていたものだったのかもしれないです。そんな、不意に始まり結論が出ずに終わる、という印象を受けるものが多かった)
一方の、ノンフィクション、自伝のような長編作品の方は、文字通り一人の人間の生々しき生きざまがそのまま紙面に打ち込まれているかのような力強くて壮大な映像がそのまま脳裏に投影されるほどで、私の「憑依欲」を満たしてくれる傑作とも呼べるものでした。
以前述べた適正距離で言えば、この作者は完全な「ステイヤー」だな、という印象です。
※『砂漠・この神の土地~サハラ横断記~』、『贈られた眼の記録』の二作がお勧めです。
で、小説もさることながら、漫画作品、等も私の心に大きく影響しております……けど💦
長くなっちゃったんで、今回はこの辺で✨