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星1100&1200御礼

世間はクリスマスムードですね……。
皆さま今年は良いクリスマスを過ごせたでしょうか? 雪の降るホワイトクリスマスなんて素敵ですね。
昨日、私の住む地域ではめっちゃ雨降ってました。ちょっとブルーになりました。
昔クリスマスにスーパーファミコンが欲しいと願ったら、ゲームボーイをプレゼントされた時を思い出しました。
同じ任天堂ハードなんですが、まさか携帯機で渡されるとは思ってませんでした。サンタの妥協が見て取れますね。

さて少し長い「ノットゲームクリエーター」のお話でもしましょう。
予め先に申しておきますが、これから先のお話はフィクションです。実際のこととはなんら関係がありません。作り話です。そのことを念頭においてお読みください。

あるところにAという人物がいました。Aはゲーム好きで、ゲームクリエーターになることが夢でした。Aは学校を卒業後ゲーム会社に入社することができました。
ゲーム会社と言っても、据え置き機の開発ではなく、その時主流であったガラケーのゲームアプリ開発でした。
開発室はAをあわせて8人と小規模であり、新人のAはそこでまず出来上がりかけのゲームアプリの品質管理を行っていました。
品質管理とはゲームにおけるデバックやバランス調整です。
そういうとそれっぽいのですが、実際は約3分で終わる1ステージを8時間永遠やらされ続ける苦行でした。
1日1ステージ新しいステージができあがるので、Aは出来上がったステージを8時間黙々とプレイし続けバグとりや、ゲームのバランスについてレポートをまとめていました。
Aにとってはその期間がもっとも辛い時期でした。

Aはその会社に居続けることで徐々におかしなところに気づいていきます。
その会社は8人を2チームにわけてラインを走らせているのですが、なぜかその時3ライン走っていたのです。
なぜ2チームしかないのに3ライン走らせることができるのだろうか?と思っていると、実はBさんというスーパープログラマーが一人で1本担当していたのです。
勿論Bさんは別のラインのプログラムも担当しており、一人でゲームを2本作っていました。
Aはそのときそんな凄い人もいるんだなぁ(小並感)と考えていましたが、歪なのはその部署の部長たちでした。
部長はBさんの進捗を全く知らず、Bさんが今どこまでやって何をしているかわかっていないのです。
それなのにゲーム開発は普通に回っており、Aはこの会社Bさんがいなくなったらどうなるのだろう。と思っていました。
Aが勤めて2か月後、Bさんが突然退社するという話になり、Aは新人でありながらBさん一人で担当していたゲームを受け持つことになったのです。
ゲームはほとんど出来上がっており、Bさんは猿でもわかるゲームのバランス調整ツールを置いて行ってくれたので、Aはそれを元にゲームバランスを調整しました。
Aは敵の配置やボスのHP調整など、探り探り、こんなのでいいのか?とやったことのないデザインに関係する調整を行いました。わからないことがあると、何度も部長に「これで大丈夫でしょうか?」と聞きに行きましたが、その度に部長は「Bが担当していたところだから俺にはわからない」とつっぱねられたのです。

Aはバグ取り、諸々の作業が全て終了し部長に報告すると、いきなり「クライアントからその容量では配信できない、Aそのゲーム、ステージを分割して二つに分けてくれ」と言われAは目が点になっていました。
通常ゲームのプログラムというのはきっちり分担して作れるようにしているものもあれば、動けばいいという理論で作られている担当したプログラマーにしかわからないプログラムがあるのです。
Bさんは後者のプログラムを組んでいたのでした。
当然ですね、彼しか作ってないのだから分割する必要がないのです。
Aは困り果てながら、Bさんに連絡をとりつつなんとか分割に成功しました。
それを部長に持って行くと、部長は全10ステージのゲームを前編に7ステージ入れろと言いました。
Aはそれでは後編のボリュームが酷くなってしまいますが?と聞くが、部長は前編を買った人は前編の内容で後編を購入するかを決める。だから前編を多くしろと言ったのです。
Aは渋々従い、部長の言う通りにしました。
ゲームは配信され、売り上げはそこそこ好調でした。
その時Aは初めて巨大掲示板で、自身のゲームの評判を見たのです。予想通り、分割商法自体批判されやすいのに、後編は詐欺のような内容の薄さ、怒っている人が多く「この内容でおかしいと思わなかったのか?」とコメントがあり、その言葉はAを悩ませました。
おかしいことはわかっているのです。ですが、末端は上の命令に従うしかないのです。
本来300円売り切りのゲームを前後編に分けたら普通150円ずつになるかと思うのですが、部長の強気な命令で両方300円ずつに値段設定されたのもユーザーを怒らせる原因でした。
部長はライン一本分でゲーム二本分の売り上げが上がり、ご機嫌でしたがAはブルーな気持ちを隠せませんでした。

そのゲームの件が落ち着いた後、Aはようやくゲームを最初から作り出せると思っていましたが、部長がAに命令したのはお金をとれるゲームシステムを考えろというものでした。
その頃はまだガチャ課金や魔法的な石の存在が確立されておらず、テトリスのようなゲーム一本買い切りが主流でした。
Aはどうやってお金をとるかというシステムばかりを考えさせられ、嫌気がさしていました。
そんな時Aは部長と飲みに行くことになり、Aは疑問だった「ゲームに必要なモノとはなんでしょうか?」と尋ねたのです。
すると部長は「コネだね」と即答しました。今やりとりしているクライアントが定期的に仕事を流してくれているので、ゲームが形さえなしていればお金が入ると。
コネさえあれば次に繋がる。そこにゲームが面白いか面白くないかなんて関係ないと。
Aは「面白さがあるからユーザーがつくのではないでしょうか?」と食い下がりますが部長は笑いながら「ゲームアプリなんか暇つぶし程度でしかやらないんだから、そこに面白さとか言われてもねぇ?」と、自分が作っているものを「なんか」と卑下していたのです。
それからAは自分がおかしいのか?と混乱しながら仕事を続けていました。
確かに開発室のメンバーは情熱的にゲームを作っている人物は一人もおらず、退社したB以外は皆気だるげに”仕事している”という感じでした。
Aはいくつも課金システムを考え、部長に報告しましたが、部長はどれも気に入らず「もっととれるはずだ。Aはユーザーに飴を与えすぎている」と言われ続けました。
そしてようやく、Aは部長が納得する課金システムを考え付きました。
部長はこれは面白い、これなら継続的にユーザーからお金がとれると大喜びでした。
Aはやっと認められたと嬉しい気持ちになりました。
ですが頭の中に「この内容でおかしいと思わなかったのか?」という掲示板のコメントが浮かびました。
AのPCにはこれまでの従量課金制とは違った、新たな課金システムと書かれたパワーポイントの画面が映っていました。

翌月Aはゲーム会社を退社しました。
Aは自分がもうゲームクリエーターではなくなってしまったと悟り、実家に帰って初めて買ってもらったゲームボーイをプレイし「ゲームって面白いな」と呟いたのでした。


もう一度言いますが、これはフィクションです。作り話です。


さて、最早お礼を書きたいのか、小話したいのかよくわらかない内容ですが、星の方1100&1200達成いたしました。
星を入れて下さった方、感想を残していただけた方、応援ボタンを押して下さった方、いつも読みに来ていただいている皆さん、本当にありがとうございます。
星の方1277個(12/25現在)PV数は136万と、もうよくわかんねぇな……と思う数字になっております。
 それもこれも支えてくださった皆様のおかげです。
 カクヨムwebコンテストの方、引き続き読者選考が続いております。星やハートの方で応援していただけると、ありがたいです。

グッドゲームクリエーターの方、展開で悩んでいる場所があり少々更新の方遅れております。近いうちに更新しますので少々お待ちください。
ガチャ姫の方は砂漠編が佳境に入りつつあります。
片方しか読んでいないという方は、この機会にもう一作の方もお読みいただけると幸いです。

年末年始、お忙しい方も冬休みな方も風邪が流行っていますので体調にお気をつけください。
私はコタツにこもってレトロなGBで遊ぶことにします。

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