【ネタバレ注意】
この近況ノートは
ニシン短篇集 『ペニーロイヤルティー』をお読みになった方へ向けての作品解説になります。
こちらを読む前に、まず本編をお読みいただくことを強くオススメ致します。
特に深い内容ではありませんが、ペニーロイヤルミントでお茶を作るのは絶対にやめてください。
……その理由は、ペニーロイヤルという植物にあります。
この短編は、Nirvanaの『Pennyroyal Tea』という曲から思いつきました。
歌詞の中に出てくる「ペニーロイヤルティー」が気になって調べてみたところ、昔からペニーロイヤルには、妊娠中絶を目的として使われてきたという伝承や歴史的な利用があることを知りました。
(それを知ると歌詞を和訳した時の印象がガラッと変わるんですよね)
ただし、これは安全な中絶方法という意味ではありません。
ペニーロイヤルに含まれる成分には強い毒性があり、摂取すると肝臓などに深刻な障害を起こすことがあります。場合によっては命に関わることもあるそうです。
つまり、名前だけ見ると何となくハーブティーらしいのですが、普通のお茶として飲んでいいような植物ではありません。
とはいえ、内容そのものは特に大きな事件が起こる話ではありません。
二十四歳の女性と、高校生のアルバイトが出会う。
仕事終わりに食事をしたり、家でコーヒーを飲んだりするようになる。
そうしているうちに、いつの間にか二人の関係は変わっていく。
物語としては、それだけです。
二人がどうなったのか。
テーブルの上の紙に何が書かれているのか。
彼女が最後に何を選ぶのか。
そこについては、あえて書きませんでした。
平板な日常の中に、少しだけ現実的な問題が入り込んでくる。
そのくらいの短編として読んでもらえればと思います。
作中の彼女は高校生のころに『Pennyroyal Tea』を聴いていました。
そして二十四歳になった彼女は、その名前のついたものを、自分の目の前でお茶にしています。
昔は歌詞の意味を知らなかった。今は、その言葉の意味を知っている。
その違いだけは、少し意識して書きました。
繰り返しになりますが、ペニーロイヤルミントでお茶を作るのは絶対にやめてください。
ハーブティーっぽい名前をしていますが、気軽に飲んでいいものではありません。そもそも飲んじゃダメ!