• 詩・童話・その他
  • ラブコメ

タピオカのみたい

詩はいい。
だって思ったことを怒りに、喜びに、悲しみに載っけて書けばすぐ書けるし、何より、ストレートに思いが伝わるから。
それが人の心を魅了できる、誰かを笑顔にできるなんて、素敵な話だ。
それは人を助けてくれる。心の中の闇を取っ払ってくれる。救われた人が、現にここにいるから証拠がある。

本当は医者になりたかった、だなんて今更言えない。両親は私の理科の出来を知っている。化学においても、生物においても、赤点すれすれである。
小さい頃から知っていた。答えが1つしかない問いは苦手だということ。分かってるはず、なのに志してしまった。白衣のまっさらとした高潔さに惹かれた。役立たずの自分が人を救える。今考えてみると、なんて馬鹿馬鹿しいのだろうと笑いすらこみ上げる。親にも無理だろう、と匙を投げられた。夜通し泣いた。自分は、ここにいない方が良かった、と何度思ったろう。大切な友達が医学部を目指しているのに、自分は無力を振りかざしている。そんな時、詩に、小説に救われた。詩と小説は、読んでいる時だけ、その辛い思いを忘れさせてくれた。いつしか、自分でもそれを書くようになっていた。楽しかった。自分の世界が広がっていくのが、とにかく楽しかった。だから、今ここにいる。読んでもらえるだけで、私は嬉しい。何より、私に気づいてくれただけ、それだけで嬉しい。今は、学校にある書籍で医学を学んでいる。大事な友達もいる。私のそばにいてくれている。小さなその事がただただ嬉しいから、私は小説で恩返しをしたい。だから、私はどう言われようと、詩を、小説を、書き続ける。

コメント

コメントの投稿にはユーザー登録(無料)が必要です。もしくは、ログイン
投稿する