ファンタジーを書くにあたって一番難しいのは“現実の単位が使えないもの”の表現だと思います。
私は世界観を重視する人間なので、ファンタジー作品において何の断りもなくメートル単位が登場すると首をかしげてしまいます。この世界でもメートル表記なのか……と若干がっかりすることもあります。また、独自単位が出てきた時に現実世界での単位では○○、と言った解説が入るとちょっとテンポ悪いな、と感じてしまったりします。
超めんどくさい奴だな、と思われるかもしれませんが、何が言いたいかというとファンタジーの設定って開示が難しいよね、という事です。話の流れを断たずに自然と説明ができる方はめちゃくちゃ尊敬します。そういった意味で言うと、転生系主人公は現実基準で解説しても違和感ないからお便利ですね。
私は解説下手くそマンなので『昼行燈の無能警邏官は裏の世界で一目置かれる始末屋でした』ではさらっと貨幣の単位だけ書いて後は察しろにしてしまっています。なのでこの場で貨幣単位についての解説をしようかと思います。
まずあの世界(イーストエンド)では貨幣の単位が3つあります。大まかに分けると以下の通りです。
・金貨……オーバル(小判)
・銀貨……バーミル(朱)
・銅貨……ゼニー(銭)
要するに時代劇で出てくる1両だの1朱だのをベースに設定を作りました。それぞれ100ゼニーが1バーミル、100バーミルが1オーバルの換算です。
日本円に換算するとこんな感じです。
・1オーバル=10万円くらい
・1バーミル=1000円くらい
・1ゼニー=10円くらい
物価は細かく考えていませんが、パン1斤と米1合がそれぞれ10ゼニー超えてはならない~という設定を考えています。後は描写からなんとなく察していただければと思います。
また、今後のストーリーで登場予定ですが金貨の上には白金貨が存在しています。次の章で登場します。
『昼行燈の無能警邏官は裏の世界で一目置かれる始末屋でした』は次回で1章の最終回です。最後までお付き合いいただければと思います。