私がまだ中学3年生の頃、小説好きだった友達がいた。その友達とは、同じ塾に通っていて、休み時間に好きな小説の話をしたり、創作のアイデアを披露し合ったりしてきた。
その友達がある日、新人賞の公募情報を持ってきた。怖いもの知らずだった私たちはその賞に応募することを約束して執筆を始めた。
応募作品は電子データのみ。でも、当時、自分用のPCを持っていなかったため、ノートに手書きで下書きし、それから親のPCを借りて清書をすることにした。
しかし、それが災いした。姉にその小説を見られ(当時はパスワードをかけるなんて思いもしなかった)大笑いされ、他の家族にも回覧された。
まだ思春期だった私は、その恥辱に耐えられず、黙って筆を折った。
約束を破って応募しなかったことは友達に言えなかった。友達が作品を書き上げて応募できたのかも覚えていない。しかも、その後ずっとそのことは忘れていた。
その後、だいぶ時間が経ち、私は相変わらず小説は好きだったけど、自分で書くことはなかった。ただ、知り合いから面白い話を聞くたびに「それ、小説にしてみなよ。それでウェブで投稿すればいいじゃん」なんて気軽に勧めていた。
そんなある日、友達から「そんならあんたが書けばいいじゃん」と言われたことをきっかけに、ハッと思い、自分でも書いてカクヨムに投稿を始めた。1年くらい前のことだ。
何作か投稿した後、なんとなくカクヨムのサイトを見ていた時に気づいた。あの中3の日、友達と一緒に投稿しようとしていた新人賞の出版社の名前がある!!
ネットで調べると、今では角川書店のレーベルになっているらしい。
それをきっかけに中3の約束を果たしていない後悔も思い出した。
あれから何年経ったか、あの友達も約束したことなんか、もうすっかり忘れてると思う。でも、自分の中の後悔を成仏させたい……。
長くなりましたが、そんな思いで、次の作品で今さらの新人賞投稿をすることにしました。今後、投稿用に平仄を整えていきますので、よろしくお願いします。
「時をかける負けヒロイン」
https://kakuyomu.jp/works/822139837483736536