先日公開させていただきました『味好み 選り好み 好き過ぎ!』へのご感想、星評価を、予想外に多くの方々からいただき、本当に感謝でいっぱいです!
素人句、しかも20句セットでラブコメ……攻めた――いいえ、身の程知らずな応募ではありますが、自己研鑽のため挑戦させていただいております。
改めまして、お読みくださりありがとうございます⸜(*ˊᗜˋ*)⸝⋆*
蛇足かも……と思いつつ、「第2回カクヨム短歌・俳句コンテスト」募集要項で、本文には俳句以外記入しない様に――とありましたので、各句が、どんな情景(シチュエーション)を詠んだのか・詠んだつもりになっているかを、こちらにひっそりと残しておきます。
秘すれば花? いえ、書かない方がまだ粗が出ない……? い、一応、それぞれに季語を設定して、大真面目にふざけてみましたので、残す方向で(^^;)
各句、冒頭のみ記させていただきます。興味をもっていただけましたら、小説『味好み 選り好み 好き過ぎ!』をご覧いただけますと、有難いですm(_ _)m
『味好み 選り好み 好き過ぎ!』
https://kakuyomu.jp/works/16818093077403440830物凄く長い近況ノートになってしまいましたが、20句全部を紹介させていただきます!
♥苺飴
縁日で買った4粒連ねた苺飴を、彼とわたしと順番に半分こで食べたんだけど……。あれ!? これって間接キスだよね!
♥指なめて
桜餅を食べる彼女に、じっと見惚れていたら、食べ終わって指先をぺろりと舐めたところで僕の視線に気付いたみたい。照れて真っ赤になった君の頬が、さっきまで食べてた愛らしい桃色の桜餅みたいに染まって、本当に可愛い!
♥白き指
「すごいの見せてあげる!」そう言われて、どきどきしながらお邪魔した彼女のお家。そしたら、どどんと雛人形が飾られてたよ。なんだーって、ちょっと拍子抜けしてたら、彼女が「どうぞ」って口の前に摘まんだ雛霰を差し出してきたんだけど……。「あーん」って……えぇ!?
♥微笑みて
大好きな彼女。まだ付き合うなんて大それたこと出来ないけど、偶然カフェの中に彼女の姿を見付けたんだ。苺パフェを、蕩ける様な笑顔で食べる彼女の可愛さったら!
♥夏蜜柑
まだまだ慣れないデート。君が僕の夏蜜柑ジュレを一口ちょうだいって、「ん」なんて口を開けるなんて! そしたら僕は掬ったジュレを君の口元に、運ばなきゃでしょ!? ちょっとハードル高いんだけど! ほら、手が震えちゃうし。それ見て君は笑ってるし。仕方ないだろ、慣れないんだからさー!
♥バナナパフェ
甘党な君が頼んだのは、やっぱり甘いバナナパフェ。ね、わたし君のことよく見てたから、君が甘党だってちゃーんと知っててこの店にしたんだよ。けど、君ったら「えっと」「あの……さ」なんて真っ赤になって俯いてモゴモゴ言うばかりか、大好きなパフェもグルグルかき混ぜちゃって……。そこまで緊張しちゃうなんて可愛いひと。けど、好物をぐちゃぐちゃにするくらい緊張するなんて、ちょっと悪いことしちゃったかな。そんなこと思いながら、わたしは珈琲を飲んで、そんな君の姿を微笑ましく眺めているんだけどね。
♥背伸びした
うちに遊びにおいでよ・なんて、思い切って言ったけど……家にあるスナック菓子とか、ダチのときと同じようなお菓子なんて出して、子供っぽいなんて思われたいないんだよな。そうそう、確か棚にお客さんが来た時用って水羊羹が置いてあったっけ!
それだそれ! けど折角出したのに、温くて微妙で……。彼女は笑ってたけど、冷やした方が旨かったんだな……。見栄張って失敗したぁ。
♥胸に落ち
君と一緒に街歩き。アイスクリームを手に、おしゃべりに夢中になってたら、ドンってぶつかって胸にアイスが付いてしまった……。「ごめん」「いやこっちこそごめん」なんて言い合いながら、服のクリームをハンカチやティッシュで拭き取ってたんだけど、2人の距離感が近すぎてドキドキしちゃうんだけどぉ!?
♥かき氷
浴衣を着た君と、一緒に縁日をそぞろ歩く。いちごのかき氷を食べた君の唇は、薄化粧したみたいにシロップの赤にほんのり染まってる。一つに結んだ髪も、君を大人っぽく見せて、僕の気持ちをざわつかせるよ。
♥パイナップルリング
「おやつにどうぞ」って、彼女の家で出された、リング状にカットしたパイナップル。うーん、これをスマートに食べるのは難易度が高いぞ!? ……って悩んでたら、「見てみ」って彼女。「何?」って顔を向けたら、輪っかの中からこっちを悪戯っぽく覗く、大きな瞳と目が合った。あーもぉ、そんな子供っぽいこと――も悪くないか。
♥かぼちゃシフォン
かぼちゃシフォンと、デコレーションしたふわふわの生クリーム。夢中で食べちゃってたら、口の横にクリームが付いてたみたい。彼が、さっと指ですくって、取ってくれたんだけど、それをそのまま舐めるなんてーーー!! ちらっと見えた舌が艶めかしくて、ケーキの味が分かんなくなっちゃったよぉ!?
♥えくぼ突き
丸ごとの一個の桃を使った、季節限定のケーキ。待ち望んでいた季節の味を、ワクワクしながら食べる君の頬っぺたには、ご機嫌なえくぼが浮き出ている。あまりにもくっきり出ているから、思わず突いちゃった僕。途端に君はプゥっと膨れて、真ん丸な桃ケーキみたいにパンパンの頬っぺたになっちゃったね。
♥寄り添いて
寒い冬の日、君が作ってくれたアップルパイは、お店の切り分けたのとは違う、優しいまん丸をしている。切り離すのは忍びなくて、君と一緒に丸い形のまんま掬って食べることにしたんだ。寄り添って食べる、一つのアップルパイも悪くないね。
♥ブドウ狩り
一緒に出掛けたブドウ狩り。頭上に実った、たわわなひと房をもぎ取ろうと、爪先立ちで手を伸ばしたの。なかなか摘み取れなくって、不安定な姿勢によろけたら、わたしの背後を支えるみたいに、彼がさりげなく寄り添ってくれてたの……! 伸ばした手に添えた彼の指も、触れるか触れないかの紳士な距離感で、好感度が爆上がり! ブドウじゃなく、わたしが落ちちゃったのは仕方ないよね!?
♥潤む視線
奥手なあなたを部屋に招いて、二人きりのティータイム。ブランデーの香るマロングラッセを、苦いコーヒーに合わせてちょっぴり大人な時間を演出してみたわ。アルコールなんて飛んでるはずだけど、香りに酔ったことにして、隙を見せてあげるから。だから―――ね?
♥ホットチョコ
寒い冬の日、きみと向かい合ってホットチョコを飲んだんだ。湯気の昇るマグカップの中に、ふうふうと息を吹きかける君。向かいに座った僕のところに、君のホットチョコの香りと、微かな吐息が届いて――甘すぎる湯気を思い切り吸い込んだのは内緒なんだ。
♥鯛焼きや
学校の帰り道、鯛焼きを買って歩いてた僕に「ずるい」と声を掛けてきた君は、負けず嫌いな幼馴染だ。「なら一緒に食べる?」なんて君を困らせようとして、鯛焼きの頭を咥えて振り返れば、君はいつもの勝気な瞳に戸惑いを浮かべつつも「もらう」って尻尾側に齧りついて来た。負けず嫌い同士が、そのまま意地を張って食べ続けた訳だ。まぁ、そうなるよね?
♥灯に揺れる
君と一緒に、はじめて家でのクリスマス。4号のケーキにローソクを灯して照明を落とせば、温かな朱色に染まった君の、いつもより柔らかな表情にドキリとして。揺れる灯を映してキラリと輝いた、君の瞳が美しすぎて……。駄目だ、君ってこんなに可愛かったっけ……。
♥夢うつつ
一緒に学校の宿題をしていたんだけど、温かなコタツについウトウトしちゃったんだ。そしたら君の声が聞こえてきて「もぉ、ちゃんと起きてないと、宿題が終わらないでしょ? 起きないならイタズラしちゃいますよ?」なんて言って。けどコタツが心地良くって、ぐずぐずと目を瞑ったままでいたら、ほっぺたにしっとりした柔らかなものが当たって―――!! 慌てて目を開けたら、蜜柑をひと房持った君が「期待した!? 残念だったね」なんて、にやりと笑ってた。
♥君の指
寒い日。家で映画を観ながら、君とふたり寄り添って食べる冬ポテト。映画も面白いけど、デートだし、イチャイチャもしたいから、ポテトは食べさせ合いをしてたんだ。なのに、君ったら映画に集中しすぎじゃない? 機械作業じゃないんだから、淡々と口に運ばれても嬉しくないんだけど? ちょっと意地悪、指ごとぱくり♪ 大きく目を見開いて、やっとこっちを見てくれた。君の指も、丁度良い塩加減だったよ。
最終句「君の指」だけは、甘味過多だから塩味を!! ――と作ってみたのですが、それでも甘くなっちゃったかも(*´艸`*)