「ア、アライさん!!」
雨が降りきる中、彼女は濡れた地に倒れ込んだ。
アクシスジカは嘲るように笑った。
「ガキを雷の守護者にするなど
サバナファミリーも落ちぶれたな」
両手の棒がバチバチと光る。
「まずいよ!かばんちゃん!あのままじゃ!」
「アライさん...」
フェネックも不安気な声を出した。
ここで僕が手を出したら失格になり、
アライさんと僕のリングか没収され、圧倒的不利になる。
「...いたいのだぁー!!」
アクシスは目を疑った。彼女は先程強い電流を全身で浴びたはずなのに、元気に泣き出した。
「...もう嫌なのだァ!!」
彼女からポロッと何かが落ちた。
刹那、ボカーンと爆発し、あたりに煙が漂う。
「あ、あれは...!」
僕は声をあげた。
「なんだ...」
アクシスも煙の中を凝視した。
「まさか、最後の晩餐がフェネックの肉じゃがになるとは思ってなかったのだ...」
煙の中から現れたのは10年手榴弾で呼び出された10年後のアライさんだった。ゴクリと口の中の物を飲み込み、
ポケットから棒状の物を取り出すと、
一振で槍に変わった。
「お前...、あのガキか」
「ガキじゃないのだ。アライさんは
アライさんなのだ...」
槍を天に掲げ、雷のエネルギーを蓄える。
「エレキチャージ...」
「...」
槍を構え、アクシスに向かった。
「エレキテックインパクト!!」
アクシスは猪突猛進する彼女を見つめると、蛍光灯を投げ付けたのだった。