何故か脳裏に焼き付いている場面がある。
それは、確かドキュメンタリー番組の一場面。
中年のほっそりした、身なりが普通のおじさんが映っていた。
その方は通勤する人が行き交う路上で、ひたすら声をかけていた。
「おはようございます、すみません、ちょっと困っててお金貸して頂けますか?」と。
もちろん、ほとんどの人が無視して通り過ぎる。
え、何これ、日本にこんな人がいるの?と疑問が即座に湧く。
番組を見進めるとホームレスの中年男性との事。
何人かに声をかけてようやくコートを着込んだサラリーマン風の恰幅のよい中年男性からお金を貸して貰えていた。五百円ほどを。
それまでのホームレスの方の印象は少し身なりが悪い印象だったので、普通な見た目の男性の言動に衝撃を受けた。
それと同時に何故この方がこの様な境遇に至ったのか、だんだんと興味が湧いてきた。
そこには、現代社会が抱える闇があった。