神代 一文(かみしろ・いちぶん) 言葉を積み重ねることは、祈りに似ている。 名を与えられなかった出来事や、語られずに消えていった想いに、 静かに居場所をつくる行為だと思っている。 『神雧 - KAMIATSUME -』は、私にとっての処女作である。 日本各地に残る伝承や神話、民話を直接なぞるのではなく、 その「気配」だけを掬い上げ、現代と幻想のあわいに再構築した物語だ。 この作品で描いているのは、 英雄でも救世主でもない、人と神との曖昧な距離感である。 信仰と忘却、畏れと親しみ、そのどちらでもない感情。 世界の片隅で、確かに存在していたかもしれない何か。 派手な展開や明確な答えを提示する物語ではない。 一文一文を読み進めることで、読者自身の中にある 「忘れていた感覚」が、ふと呼び起こされることを願っている。 文章は、一度に完成するものではなく、積み重ねるものだ。 だからこそ筆名を「一文」とした。 この名前で、言葉と向き合い続けていきたい。 『神雧 - KAMIATSUME -』が、誰かにとって 静かに心に残る一編となれば幸いである。
カクヨムネクストの公式アカウントです。
カクヨム運営公式アカウントです。