尾道弾丸旅行【神社と黒猫】


広島県尾道市に弾丸旅行行ってきた。
前々日にいきなり思い立ち、家族の了解や同行者の予定を確保し、即出発。

尾道にはお寺がいっぱいあったんだけど神社もあって。
お寺も素敵だったんだけど、私はやっぱり神社が昔から好きで。

参道を通るたびに、少しずつ空気が変わっていく。境内に上がると、一気にひんやりしてピリッとした神聖な空気になる。
大きな御神木の影響かもしれないけど、私はその空気が大好き。

願いを叶えてくれる神様がいるとは思ってないんだけど。
それでも確かにそこにおわすのだと思う。
畏敬の念を抱く。
そしてそれでいいのだと思う。


私、実は動物が苦手なんだけど(飼ったことなくて)
動画とかで見るのは好きなんだけど、基本的に怖くて触れない。
猫ちゃんとか、学生の時に友人の家で引っ掻かれてから全然ダメ。初めての猫との遭遇だったのに。
犬も、小さい犬はぴょんぴょんまとわりついてきて絡まれちゃうのが普通に怖い。
ゴールデンレトリバーとかは飼い主いたら撫でれる。
遠目に見るのはほんと好き。

そんな状況の私が。
尾道でとある神社に行った時。
参道の途中の東屋に黒猫ちゃんがいた。
そこの東屋から写真を撮ろうと猫ちゃんの近くを通ると。
「ナァーン」って鳴いた。
「こんにちは。通ってもいい?」と言うと「ナァーン」ってまた鳴いた。

このとき、『……あれ?』って思った。
なんか会話してる感覚。

写真を撮ってしばらくすると猫ちゃんが私の近くの木陰に移動してきて、こちらを見て「……ナァーン」ってまた鳴いて──寝っ転がった。

「…………」

近くに寄った私は腰を屈めて「……撫でてもいいの?」って聞いた。

そしたらまた「ナァーン」って。
さぁ私を撫でなさいって言われた気がした。

「失礼します……」って声かけて。
私、はじめて猫を撫でた。

すっごい柔らかくてあったかくて、撫でるたびに猫ちゃんの爪がピョンって出る。
最初は、撫で方が悪いのかな?と思ったけどすっごく気持ちよさそうな顔してるし。
後から検索したらリラックスしてる証拠なんだね。


「私ね、今度ね…………」

って猫ちゃんに話してた。
お願いごとも猫ちゃんに話しちゃった。

最後に「撫でさせてくれてありがとう」って言ったら「ナァーン」ってまた鳴いた。


──この黒猫ちゃんはきっと、神社の御使様的な猫ちゃんなんだな……きっとそうだ……ってなんでか思った。

尾道は猫の街でもあって、至る所に猫ちゃんがいたし、みんな人懐っこそうだったからどの猫ちゃんもそうだったのかもしれないけど。

私の中で、あの猫ちゃんはあの神社の御使猫様だった。
参拝を終えて戻ったきた時には……猫ちゃんもういなかった。


またあの猫ちゃんに会いたい。
尾道、また行きたい。



※全然カクヨムに顔出してなくてごめんなさい。カクヨムだけじゃなくてWEB投稿のとこにはどこにも顔出してないのですが。
仕事以外での創作スイッチ、完全に切れてしまった…。またいつか……気長に……。


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