先日、カクヨム甲子園に応募するために「あい」という小説を一本書き上げました。
今まで小説のネタを考えるまではありましたが、自分のオリジナル小説を書き上げるというのは今回が初めてで、正直締め切りに間に合うか心配でした。ギリギリですが間に合ったので良かったです。
本題に入っていきましょう。これを読むより先に、一度本編を読むことをお勧めします。
少々長いですが、お付き合いいただけると嬉しいです。
この小説では、親が死んで虐められて辛いことの積み重ねで精神的にやられてしまった一人の少女が、自称魔王なオタク男によって考えを改めるお話となっております。
サブタイトルは靄、穢、埃、会、間、哀、逢、藍、愛とそれぞれ違います、じゃあこれはなんなのか??答えとしましては、全て「あい」と読むことが出来ます。音読み訓読み含め、色々な読み方が出来ますので漢字の奥深さを改めて知りましたよええ。
それぞれのサブタイトルに沿って本文を書いていきました。例えば一話目の靄は夢の中で、過去の記憶のことなので藍ちゃんは思い出そうとしても靄がかかって思い出すことができない。逢なら、魔王様が女神様と巡り逢った時の記憶。といった感じで、何かしら意味を持たせております。
正直、私が一番最初に悩んだのはジャンル決めですね。恋愛にしては甘くないし、現代ドラマにしてもなんかちゃうな感があるし、ファンタジーにしてはファンタジー要素が薄い。散々悩んだ結果、現代ファンタジーに落ち着きました。
魔法とか魔王とかふんわりしたファンタジー要素でしたので、あくまで昔がファンタジー世界だった現代の物語ということですね。こじつけ感は否めませんが、現代ファンタジーです、はい。
元々、この小説の最後としましては主人公の死を持って終わらそうかとか色々悩んでおりました。つまり、呪いが解呪されず今まで通り魔王様が藍ちゃんを始末する世界ですね。18歳の誕生日の日に、藍ちゃんが「助けてくれてありがとう」とお礼を言おうとした瞬間魔王様が哀しそうな表情で手をかける展開もアリだなと考えてました。だけど殺した後に藍ちゃんの呪いが解けてるのに気付いて、次の人生からは呪いに縛られず生を送れるけどもう二度と出会えない事に悲しむってバッドエンドも考えていたのですが、書いてて「藍ちゃん殺したくない!!!誰だこんな鬼畜展開考えたやつ!!!表出ろ!!!」となったのでやめました。キャラに愛着湧いちゃった私の敗北ですが、今回の終わり方は結構気に入ってます。殺さなくて良かったと本当に思ってます。
では、物語の解説に入っていこうと思います。
藍ちゃんは冒頭のおとぎ話にて魔王様を倒した女神様の生まれ変わりですね。18歳になるまでに魔王様に殺される末路を何回も何十回も重ねてきました。
今回は母親が自分のせいで死んでしまった理不尽さ、そして瞳が変わったことにより虐めを受けたことが原因で死を望むようになってしまいました。
辛いことが原因で病んでしまった藍ちゃん、ですが変わろうと思えば幾らでも変われたんです。ボサボサの髪に猫背、不潔感が溢れ目が死んでる人とは少し近寄りがたく虐めの対象になってしまいました。きっかけは目の色が変わったことで、呪いのせいで代わりありませんが、それでも少し見た目や雰囲気を変えたらこんな手遅れな状態まで落ちることはなかったのではないかと思います。
たった虐められた程度で此処まで傷つくか?と、いう人もいるかもしれません。ですが、傷つく人は傷つきます。人の心というのは目に見えないですが、本当に脆く壊れやすいです。一度傷がついてしまったら、治るまでとても時間がかかります。それどころか、治らないかもしれない。そして虐めという行為は「自分が相手より上である」という上位互換が発生するため、優越感を得ることができます。だからこそ虐めという行為はいつの時代も無くならない。自分にそのつもりがなくても、傷つく被害者がいるということを知って頂きたいという想いがこの小説には込められていました。
彼女の場合は呪いの強制力かもしれない、だけど彼女の身の回りに起きたことは実際に現実でも起こりうる可能性が大いにあります。この小説を通して、人の心について考えてもらえると嬉しいです。
藍ちゃんはいじめっ子に対して「仲良くして」と言えるくらい、肝が据わってる少々イカれてる子ですが、誰でも彼女のように変われます。きっかけをくれたのは魔王様かもしれない、だけど努力をしたのは他の誰でもない彼女自身です。一人の人間が変わるまで、描きたいことを描けたので満足しています。
ではお次は魔王様について。
さて、魔王様は実は魔王様ではありませんでしたね。元魔王様です。元勇者にして、元魔王と特殊な経歴な持ち主でした。自分の心の声を聞き、自由に生きるをモットーとした藍ちゃんとは対のキャラクターです。
魔王様はなぜオタクなのか、それは異世界転生して勇者になったオタクだったからですね。冬場に大好きなアニメをお風呂で見ていて水風呂になったことに気づかず、無我夢中で見続け風邪をひき、肺炎になって死ぬというちょっとダサい死因の持ち主だったりします。女神様に魔王という役目を渡し、ただの条件付きの不死で魔法が使える男になってからもそれは健在で立派なオタクをしています。きっと、藍ちゃんと別れた後も推し活は続けていくんでしょうね(遠い目)
なので屋上から飛び降りようとした藍ちゃんを助けた理由は、元勇者として正義感が騒いだというのが答えです。約束を律儀に守る、根はいい魔王様です。まぁ寝不足とか他人の気持ちはちょっと考えられない、自分本位の男ではありますがそれは元々の性格ですので仕方がないですね。
因みに約束を守った理由に関しましては、普通に一目惚れですね。女神様の容姿が普通にタイプ真っ只中で、俺勇者やるわって即決するくらいにはベタ惚れしてました。だから、女神様の生まれ変わりを殺し続けるのもずっと苦しみながら続けています。だけど彼女の努力を無碍にしたくなかったから、ちゃんと約束を守り続けたんです。
そして今度は、救われた分自分が救って見せると女神様のそばでずっと見守ってきたわけですね。
なので今まで暗闇のどん底にいたから、助けてくれた魔王様のことを初恋っていうくらいには藍ちゃんは魔王様のことが好きになってたりしてます。ちょっとご都合主義感否めませんが、20000字の文字数で書きたかったところ結構書けてないんです!!もうちょっと補足したいんですけど、後200字で20000字なので、文字数オーバーになるので書けませんね。
カクヨム甲子園が終わった後、どこかでリメイクして、ついでにおまけ話をかけたらいいなと思います。なんなら、魔王様のスピンオフ書いても楽しそうですね
といっても高校三年生、就職活動で忙しく来年以降になると思いますが、いつか書き直したいです(笑)
藍ちゃんの目の色の事とか、魔王様が元勇者だったこととか、伏線挟みながら小説書くのはやっぱり楽しいですね。
個人的に私が一番満足している表現は、哀は愛に融けて、藍と交わるという表現です。
これは精神的な意味合いも混ぜておりますが、哀が青なら愛は赤。青色と赤色が混ざったら、悲しいことは完全には消えませんが、藍に近い色にはなるだろうという解釈です!こういう色に触れる表現ってオシャレでいいですよね!!
長くなりましたが、最後までお読み頂きありがとうございました。初めて書き上げた小説、稚拙な部分も多くあるかもしれませんが、コメントやレビューなどしていただけると嬉しいです。
改めて、最後まで読んでくれたあなたに心からの感謝を。