第八話 大切なもの 修正点
・やっぱり骨格の変更は無し。少しの追記・削除、気になった体裁修正くらい。
・冒頭部:第二段落を追記。当時から気になった部分ではある。『船』というワードがギリアムにとって禁忌のものである事の前提となる表現を埋め込んだ。ホークスのからかいにギリアム激怒の流れがより自然になった気がする。なんでこんなたった四行の表現が当時出てこなかったのか謎。
ちなみにこの場面は、ドラゴンランス戦記の船が苦手なドワーフ・フリントと、ケンダー・タッスルホッフバーフットのやりとりをオマージュしております。わかる人はニヤリとできるかも……って、いないか。
あの作品は、色々と表現にはバタ臭い所が多々あるんですけど、当時の私にはワクワクするような喜びをくれた物語でした。あれほど壮大な物語は私には描けません。描けませんが、不満だった部分をこのライル戦記に反映させているような気がします。大舞台や神話伝説よりも、もっと小さな人間達の心の在り方と日常のやりとりが欲しかったのです。
生きるって、そういう事でしょ? 泣いてばかりシリアスばかりな時間なんて過ごしてる人、見かけます? 泣くこともあれば笑う事もあって、問題をひとまず先延ばししたり深く考えずなんとなく過ごす事も多いでしょう。アホな事をしてしまう事だって何度もある。自分は、そんな人間達の在りのままの様子を楽しく描きたかったのです。今、振り返るとそう感じます。
・シャリー登場時のアリアのセリフ最後を分割。「それに、心の傷までは~」を独立。癒しの技の説明とは別にして、より強調した表現とした。
・ティナの風呂場への場面に前話の続きの流れの挿入部分は削除しようか迷った。場面転換が厳しいかなぁと。迷った挙句、そのまま採用とした。自分では結構好きなエピソードだったので。だったら七話に入れておけという話ですが、七話のラストが綺麗に終わったので、入れる隙が無かったというのが本音。ここらは技量不足ですねえ。
・ティナの頭を撫でるシャリーの姿→小さなシャリーの姿 に追記。大人と子供の対比を強調。より良くなったと思う。小さな子供が、泣いている大人を撫でてやっている姿で、その子供の背負う哀しさをより正確に伝えられる。
・フォレス登場:釣り人が一人~ 一行を独立させて、目立つようにした。
・宿屋到着:シャリーの食事と寝かしつけの表現を追記。この場面シャリー忘れてた。子供は疲れてるだろうそりゃ。
・宿オヤジのセリフ合間:大皿料理の描写を追記。リアルで私の腹が減ってきたので。
・フローラ登場:シャリーの事を院長にお願いする流れを追記。でないと、後で急にアリアとシャリーが呼ばれるのが不自然だという事に、今になって気づいた。当時は全然気づかなかった。なんで?
・アリア食べない:ティナが髪をくしゃくしゃ撫でるシーンで、アリアが髪隠ししてない理由に関する説明記述を削除。いらんでしょう。この説明のせいで、仲間達が次々アリアを励ます声かけのテンポが悪くなっていると感じた。
・野良仕事:鍬の使い方に関する、自分自身の経験に関する記述を削除。
・修道女達の男の好みに関する会話時、アリアの顔文字セリフを削除。古すぎる表現だぞ……
・ギリアム激怒セリフ:こんな筋の通らん事→こんな筋の通らぬ事 に修正
・シャリーの心の声:…と。の使い分けを少し整理
・イングリッドの祈り:「()」はやめようかと思ったけど、試してみると上のシャリーの心の声の表現と被るので、やっぱり原作通りに戻した。
・フォレス釣り竿に驚く場面:竹製とし、銘は、三平一平とした。矢口先生、釣りキチ三平、大好きな作品でした。一平は、三平のおじいさんです。釣り『キチ』がキチガイという言葉だからダメとされ批判されアニメ放送すら干されたのは、私には納得のできない事でした。内容で判断しろよと。そういう人達を揶揄するような話はひとかけらも無いぞと。素晴らしい作品だぞ釣りキチ三平。子供に安心して見せられる作品です。生きる上で大切な事を一杯教えてくれる、釣りと自然の魅力を存分に伝えてくれる、傑作です。
以上です。
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