あるところにジムのオーナーのお爺さんと、ネトゲ廃人のおばあちゃんがいました。
ある日お爺さんはジムにトレーニングに、おばあちゃんはアマゾンで買い物をしていました。
翌日、買った物が届くとダンボールの中に大きな桃が入っていました。
そして愚痴を書こうとツイッターを開こうとした瞬間におばあちゃんは、意識が朦朧とし倒れてしまいました。
おばあちゃんが目を開けると、そこには緑豊かな景色が広がってました。
不思議に思ったおばあちゃんは周りを見渡すと、そこには大きな桃と鏡が落ちていました。
倒れた時の衝動で身体が痛く桃を持ち上げられなかったおばあちゃんは、鏡を調べてみることにしました。
恐る恐る近づいて見るといきなり物凄い光が出てきて、収まったかと思うと身体が軽くなっていました。
おばあちゃんは不思議と鏡を見ると、そこには20代前半のいかにも男子が食いつきそうな女性がいました。
「私の若い頃にそっくりじゃな」と、ふと思うと若々しい手で顔や胸を触り、歳が戻ったことを実感すると嬉しさや懐かしさとは裏腹に、淋しさが沸いてきました。
それで疲れたのか「グゥ~~」という音が鳴ってしまい、腹ごしらえの為に近くにあった桃に触れると、まるで初代プリキ○アの様な音楽が流れ、大きな桃が小さな妖精へと変身しだしました。
私は「妖精と言えば可愛い女の子でしょ!」と目を輝かせながら言った瞬間、いかにも女子と遊んでそうなチャラチャラした男の子へと変身しました。
私はガッカリしていると、「えーと、僕ね……君のお願いを3つ叶えてあげるよ。><"」とギャップでキュン死しそうな声と態度で言われ、鼻血を出して何時の間にか倒れていました。
気付き、目を開けてお腹を見たら……何だか大きくなっていました。
妖精がにっこり笑うと「何か気になる?教えてあげるよ。その腹の中には僕たちの子がいるのさ」と、私に最初の頃とは真逆な……憎たらしい声で言いました。
私は途端に吐き気に襲われ……何度も何度も吐くと「なんで吐くのさぁ……別に何かした訳でも無いんだしさぁ……それにその子は君の夫だよ?君、寝言でけんじぃけんじぃ……って言ってたから、けんじと会いたいのかなぁって?それじゃダメだったかい?」と真面目な顔で言ってきた。
私が呆然としていると「さぁ、二つ目の願いは何だい?あぁ……それと僕は、君だけの心の声が聴こえてくるんだ。だから別に聞くまでもないけど、それじゃあア〇ジンの様な絶妙な感じにならないじゃん?」と元気な声で言うと、私はふと思った。
「ん?何で意味深なことをわざわざ言ったかって?それはねぇ、僕が君と……いや、|由美子《ゆみこ》ちゃんと会った時君は、僕のことをチャラ男だと思っていたから、揶揄ってみたくてW」と、笑いながら言ってきたので……何も考えずに妖精の頬っぺたをビンタしていた。
流石にいつも温厚な私でも限度というものがあったからだ。
そうこうしている内に勝手に1つ願いを使われたのは癪だが、残り2つの願いにも興味は一応ある。
それに今思ってみれば、夫を腹に宿すというのも何だか不思議な気持ちになった。
他には方法は無かったのか?わざわざ私に"出産"させんの?そう言った疑問ばかりが浮かんできた。
まぁ、考えても仕方ないので願いを叶えて貰うことにした。
「じゃ~……待ち遠しいから、もう出産して私と同じ年齢に全てをしてくれない?」と言うと、頷きながらパチッと指を鳴らしたかと思うと……目の前には紛れもない夫が立っていた。
私はせいぜい数十分しか離れてないのに、一粒一粒がポロポロと目から流れていった。
彼は私に「こんにちはお嬢さん。泣いていては、その太陽の様な可愛らしいお顔が台無しですよ」と笑って微笑んでくれた。
リアルの今では筋肉に目覚めて暑苦しいが、昔はとても紳士であんなことも平気で言って魅せてくれた。
私はそんな彼が好きだった……そして、今の夫も夫で好きだ。
そんなことを思っていると妖精が「君たち新婚さんみたいだねWそれで残り1つの願いはどーする?あ、それとさっきからわざと言って無かったけど、この世界には鬼というものが存在していて。君は、それを倒す……あるいは暴走を抑えるため呼ばせて貰ったんだ」と考え込みながら言う妖精に対してけんじは「俺の願いを何個でも良い!叶えてくれることは可能か?」と顔を妖精に近づけて問いただすように聞くと「いいえ、不可能です」という答えが返ってきた。
それが意外なのか少し考えた後に「なぁ……この世界って俺たち、殺されたら死ぬのか?」と私が考えもしなかったことをズバリと聞くと「いや死なない。君らはこの世界では不死身であり不老だ。だが無敵ではない」
私は不老不死って無敵じゃないの?と、ふと思うと「全然違うよ。確か君はゲーマーじゃなかったっけ?マ〇オで例えると無限にPがあるのが不老不死ってやつで、無限にスターの状態が無敵さ」と、明らかによくアニメであるような黒板が出てきて解説していたが、結構分かりやすかった。
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(´・ω・)ナニコレ