どうにかこうにかソウルシャインを、期限内にコンテスト規定の10万文字越えに到達することが出来て、心からホッとしております。(第2部6話一括り完結の件は間に合わず。でもいいよね?)
で、そのソウルシャインについてですが、少しだけ解説しておかないと「これ、何の話やねん。」ということに成りかねないと思いましたのでここで少しお話をさせていただきます。
ソウルシャインは、架空の街、”四名市”を舞台にしたオムニバスのシチュエーションドラマです。
それぞれのお話が完全に独立している訳ではなく、それぞれのお話で出てきたキャラクター同士が微妙に影響し合うタイプの物語です。
そしてその物語の鍵として、楽器店ソウルシャインと店員たちを採用しております。
このお話を書こうと思ったきっかけは、とある楽器屋での店員さんとの会話でした。
楽器屋さんと言っても、買う、修理する、売りに来た、冷やかしに来たとお客さんそれぞれに目的があり、お客さんと店員さんとの関係性も、初めましての人や常連さんなどそれぞれの関係性があるわけです。
それを踏まえ、店員さんを主役に訪れた人とのふれあいのお話にするのが普通だとは思います。
ただし現在私は並行して「ひみつのおと」を執筆しており、そちらでは専門学校を舞台に一人の少女と先生の各視点から2年間と言う期間限定での成長物語を描いております。
ですので、こちらも楽器屋さんの店員を主人公にしてしまうと、似たり寄ったりの話になってしまうのでは無いかと思ったのです。
もちろん主人公の職業や話の展開が違えば、全然別のドラマになるとは思うのですが、楽器屋と専門学校という違いはあれど、閉鎖空間を舞台にしたお話にしてしまうと、という意味です。
そこで思いついたのが楽器屋店員たちを主役と定めずに話を回すと言う方法で、狂言回しとして時にはモブとして楽器屋店員たちを登場させれば、それぞれのお話に出てくる主役から見た角度で、店員たちの活躍を間接的に描けるのでは無いかと考え至りました。
そして楽器屋ソウルシャインを舞台ではなく、アイコンとして存在させれば、極端に言えば楽器屋自体が物語に登場しなくとも、もっと広い視野でお話を展開出来るのでは無いかと考えたのです。
そして、四名市一番街と言う仮想空間を舞台にした無数の主人公が存在するマルチバース的な叙情詩を作れるのでは無いかということです。
最後に今後の展開ですが、一度きりの主人公登板に拘っている訳でもないので、それぞれの主人公が再登板することもありますし、今後の話の大きな流れとして、寂れた地方都市の商店街復興をテーマにしたお話も盛り込みたいなというのがあります。
(ただし商店街復興をテーマにすると確実に取材が必要となり、そうなるとうーんと考え込んでしまう問題があるのですが。)
色々と難しく書きましたが何を言いたいのかと言いますと、ソウルシャインでは、好きな時に好きなことが書けると、作者の中では完全に棲み分けが出来ていると、そういうことです。
このノートもですが、各本編も含め、長々と目が滑るような拙文にお付き合い下さり本当に感謝しております。
これからも長い目でお付き合い頂けますと幸いです。