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夏に読みたいSF3点

もうすぐ夏休み。
子供たちは宿題の読書感想文に頭を悩ませ、大人はこの機会にと買った本がなんだかんだで積読になっちゃう、そんな季節です。
今日の朝刊書評欄は、「書評委員19人の『夏に読みたい3点』」というおすすめ本特集でした。
あやかって、夏休みの読書にふさわしいと勝手に考えるおすすめ本を3点挙げてみたいと思います。

「ソラリス」スタニスワフ・レム

夏といえば海。
というわけで、海にまつわる名作SFのおすすめです。
スタニスワフ・レムの「ソラリス」は、人類が未知の惑星ソラリスと接触する物語です。
惑星全体が一つの巨大な知性を持つ海で覆われており、その海が人間の潜在意識にアクセスして、彼らの最も深い記憶や感情を具現化します。主人公の心理学者クリス・ケルヴィンは、失われた愛人の姿を再び目にし、惑星の謎を解明しようと試みます。
「ソラリス」は、単なるSFの枠を超えた哲学的な問いかけを含む作品として広く評価されています。特に、異星生命とのコミュニケーションや人間の内面的な葛藤に焦点を当てた点が高く評価されており、多くの読者に深い感動を与えています。
映画化もされ、アンドレイ・タルコフスキーやスティーブン・ソダーバーグ監督の手によって、新たな解釈が加えられました。
あわせてご覧になると、一層深い沼にハマったようなSF体験ができるかも。

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「影が行く」ジョン・W・キャンベル
夏といえば怪談。
こちらはSFホラーの古典的名作です。
舞台が南極基地ということで納涼感も十分。
ジョン・W・キャンベルの「影が行く」は、異星生命体との接触とその影響を描いています。
南極で発見された奇妙な物体は、科学者たちによって調査されることになりますが、その正体は地球外から来た生命体でした。
このエイリアンは形態を変える能力を持ち、次第に人間たちに潜り込んでいく恐怖が描かれます。
「影が行く」は、その緊張感あふれるストーリーとエイリアンに対する恐怖感の描写で、高く評価されています。
さらに、ハワード・ホークス監督「遊星よりの物体X」。
ジョン・カーペンター監督の映画「遊星からの物体X」という二度にわたる映画化は、それぞれの時代の最新技術で、原作の持つ不気味さと緊迫感が見事に再現されています。

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「三体0:球状閃電」劉慈欣
夏といえば不安定な気候。
そしてお盆ですね。
劉慈欣の「三体0:球状閃電」は、世界的超人気SF小説「三体」シリーズの前日譚ともいえる作品です。
ただし、舞台が同じ世界で登場人物が一部共通しているだけで、ストーリーが繋がっているわけではないので「三体」本編を読んでいなくても問題ありません。
物語は、不安定な気候が生む雷と電気現象に魅了された若き科学者の成長と研究を中心に展開します。
主人公は、謎の現象「球状閃電」に家族を失い、その解明に人生を捧げます。
研究が進む中で、彼はこの現象が持つ恐るべきエネルギーと、それがもたらす技術的・軍事的な可能性に気づきます。
劉慈欣の科学的な知識と緻密なストーリーテリングが際立つ作品です。
そして、なぜこの小説がお盆と関係するかというと…
これは読んでお確かめください。
私はこの生と死を超えた謎の描かれた結末に、ちょっと涙が出そうになりました。

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