2022/4/6に執筆を始めてから、一年と半年ほどが経ちました。
元々小説や漫画、映画といったフィクションが好きで、幼い頃から物語を創りたいなという欲求が強かったのを覚えています。
そんなこんなで時が立ち、いざ執筆を開始。
僕が考えた最高の『異世界ファンタジー』で世間を騒がしてやるぞと息巻いてwebに作品投稿し始めました。
タイトルは『老衰で死んだ僕は異世界に転生して仲間を探す旅に出ます。最初の武器は木の棒ですか!? 絶対にあきらめない心で剣と魔法を使いこなします!』
うん長い。長いし、長いし、長いな。
あらすじは、病気で亡くなってしまった少年少女3人が異世界転生。
ただし、主人公だけが時間軸がずれており、親友の二人が既に30年前に魔王を討伐して他界していた。死亡理由がわからない為、実は生きている可能性もあるんじゃないかなと旅に出るお話です。
文字数は35万文字ほどで完結。
結果はもうそりゃもう、大人気大人気――にはならず、『鳴かず飛ばず』でした。
なろうとカクヨム、アルファ、ノベルアップ、エブリスタ、ありとあらゆる投稿サイトに毎日転載していましたが、ブクマ少し、コメントもほとんどなし。
とはいえ決めたからには毎日だ! と手を抜かずに完走したことは自分でも頑張ったなと思います。
そこから公募も始めます。
『ドラゴンハンターイデア』をファンタジア文庫に応募。
いわゆる復讐者ですが、一次審査落ち。
オーバーラップで『マリス・イーブル・ワーカービー』を応募。
現代ファンタジーですが二次審査で落ち。
少し遅いですが、このあたりから魔法が解けていきます。
――俺、才能ないんじゃね?
初めは自信過剰だった心はどこへやら。
順調に自分の立ち位置に気づきます。
しかし僕はメンタルだけは強いのです。
頬の涙をぬぐいながら震える足を抑えて立ち上がりました。
まずは原点に戻ろう。文章の見直しから始めました。
小説のお話ができるコミュニティサイトで指摘をしてもらい、国語の教科書も購入しました。
そこから最新ラノベを購入しては分析。
時代の流れをしっかりと読みたいと思うようになります。
自分が好きな構成は『過去』とまでは言いませんが、如何にも古く、そしてweb向けではないことに気づきます。
ここからしっかりと読者を意識し始めました。
自分の面白さを押し付けられるほどの腕はない。ただしそれは『今』だけだ。
と未来の自分に期待することで心の平穏を保ちながら。
涙は流れていますが、気づかないふりは得意です。
テンプレやweb小説を分析、時には友達と話し合い、時には怠惰に眠る。
幸いにも執筆速度は早かったらしく、作品も増えていくごとに感想も少しずつ増えてきました。
ここで少しだけ努力が実ります。
『異世界恋愛』です。
読者の好きと、自分の好きを合わせた結果、なろうで日間二位まで登りつめることができました。
内容としても満足のいく出来だったので、レビューも感想も頂いて嬉しかったです。
そしてそこからカクヨムコン8が始まります。
異世界恋愛はカクヨムで強くなかったので、書くには不安で。
でもできれば成功体験が忘れられず、恋愛でいきたくて。
その結果『ラブコメ』を書こうと決意します。
まずはカクヨムコンテストの傾向を調べました。
本屋で大賞作品を購入し読みまくりました。
その結果『NTR』『毎日お弁当』『俺だけが知っている』『家が隣』
が僕の中で強いと感じます。安直ですかそうですか。
そして出来上がったのが『陽キャに彼女を寝取られましたが、道端で出会った美少女元アイドルに慰めてもらい、毎晩手料理を作ってもらえるようになったので幸せいっぱいです』
です。
はい、そのまんま東です。もうびっくりですね。捻りゼロです。
ストーリーはタイトル通り何も難しいことはなく、主人公は陽キャに彼女を寝取られた後、道端で困っている美少女を助け、そこから関係性が深まっていきます。
『ざまあ』も強いのはわかっていたので、元カノと新彼氏を嫌味にしまして、主人公が恋愛をしながら壁を乗り越えていくお話です。
以前と違って、常に読者のこと、ランキングのこと、周囲の分析をしていたので楽しくもありましたが、とても大変でした。
結果としては中間選考を突破しましたが、コンテストには受賞しませんでした。
しかし自分の中で凄く良かったことがあります。
それは――『コメント欄が炎上』した。です。
普通に考えれば、え? お前強がってんじゃねえの? 足震えてんぞ。涙拭けよってなるかもしれません。
しかしこれこそがきっかけというか、後に凄く実りがある出来事の一回目でした。
で、何で炎上したのか? ですが。
作品内で『ざまあ』をするべき元カノに対し『実はいい人でした』を終盤に持ってきたのです。
今思えばこれほどおそろしいことはありません。ざまあするべき対象を断罪しなかったのですから。
僕としては、どんでん返しで面白いと思ったのですが、これまで作品を読んでくださっていた読者様の心情を理解できていませんでした。
フラストレーションが解消されないお話を書いてしまったのですから当たり前です。
朝起きてコメント欄を見たときは驚きました。
泣きました。一粒ではなく二粒くらい泣きました。多分もっと泣きました。
辛くて辛くて、なんか夢にも出てきました。うわあああ、炎上してるううううと。
とはいえ自分が悪いのです。読者様の期待を裏切ってしまいました。
なんとかそれも乗り越え、しっかりと満足がいくところまで書き切りました。
そして決意します。
読者の気持ちをしっかりと考えないといけない。
キャラクターの好感度をしっかりと読み取らないといけない。
設定だけではなく、今読者はこのキャラクターをどのくらい好きでいてくれているのか、どれくらい嫌いか、を考えるようになりました。
そこから負けじと『ラブコメ』を書いて分析分析の日々が始まります。
カクヨムコンが終わり、自分の中でも精一杯ラブコメを楽しめたのでようやく元の畑に戻ろうとするのですが、ここで流行りがきました。
それは『ダンジョン配信』です。
当時はモンスター拾って愛でるといったモフモフ系が流行っていたので、安直にフェニックスにしました。
テイムものは初めてだったのと、モフモフ系は会話ができず、読者に好きになってもらうにはしっかりとした可愛げのある部分を見せる必要がありました。
そこで前回の『好感度意識』が役に立ちました。
フェニックスはこんなに可愛いよ、スライムはこんなに愛くるしいよ、とみてもらうことで、今までで一番の反応をもらうことができたのです。
この作品はカクヨムからなろうに転載したのですが、そこでもいい評価をもらいました。
年間でいうとローファンタジー31位ほどでしょうか。
ポイントもそれなりに頂けたのですが、残念ながら書籍化には至りませんでした(まだ希望は持っている)。
そこで次、『テンプレ分析』『好感度の使い方』を武器にした僕は、ついに後に書籍化する(まだしてないけど)『怠惰な凌辱貴族に転生した俺、努力でシナリオをぶっ壊したら規格外の魔力で最凶になった』
を書き始めます。
同時におじさん転生も書きますが、そこは割愛します。
でもそこそこおじさんも人気は出たよッ!
悪役転生ではテンプレの分析をした後、しっかりと好感度を意識しました。
モフモフで得た、しっかりとしたシーン、挙動を盛り込んで。
そこでようやく全てが繋がってくれたのか、早いうちに評価を頂けました。
更に今なら俺の『好きな構成』を今風にアレンジすればいけるんじゃないか、と、学園にポイント制度を盛り込んだり、竜を退治したり、キャラクターをいっぱい出したり。
ジャンル別一位
総合一位
月間総合一位!
ワーワー、嬉しい嬉しいよぉ。
その結果、早い段階で書籍化の打診を受けました。
とにかく毎日書き続けていたので嬉しかったです。
ようやく実ってくれたなとガッツポーズです。
うわああああああああ、うわああああああああああ、うわああああああああと部屋中を駆け回りました。
とにかく嬉しくて嬉しくて飼っていた猫に「頑張ったんだよオレ……」と主人公みたいな事も言いました。
とはいえこれはまだスタートラインでもあります。
プロとしてのほんの入口。
そして現在。
悪役転生は来年に刊行予定ではありますが、他作品の書籍化は決まっておりません。
来年はしっかりと安定した面白いお話を読者様にお届けできるように日々邁進したいです。
そんなこんなで今年も終わりです。
長いお話でしたが、ここまで見てくださりありがとうございました。
読者様のおかげで毎日が楽しいです。
ギフト、コメント、レビュー、応援、星、全てに感謝しています。
もしこれを見てくださった方に『作者』がいらっしゃいましたら、全ての行動は無駄じゃないと思ってほしいです。
何をしても、何を書いても、作品が炎上しても全て実りに出来ると思います。
来年も『菊池快晴』と『作品』をよろしくお願い致しますm(__)m