『原紋終環記』願いうつの章 ―第4節―
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1幕
朝なのか夜なのか分からないような世界の中で。
一人の老婆が雪を溶かしている。
セラは少し離れた場所から、その様子を眺めていた。
やがて、老婆がこちらへ気付く。
笑った。
優しい笑い方だった。
「おはよう」
「おはよう」
セラも頭を下げる。
老婆は器へ水を注ぎ、そして当たり前みたいに言った。
「飲むかい」
セラは頷き、差し出された器を受け取る。
ぬるい。少し土の匂いがした。
それでも不思議と美味しかった。
※画像
水を差し出すリムナの老婆とそれを受け取るセラ