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セラピストの手

「‥君、松生さんって言ったけ。前から思ってたけど、今まで受けた中で一番丁寧な手だよ」

目隠しをされたまま、静かにそう言ってくれたお客様。

やっと仕事にも慣れてきて、消しなさいと言われた私のカラーを自分なりにこの場所で融合させて小出ししている。

「とんでもないです。私‥実はエステティシャンは一年生で、実はセラピストとしての方が長かったんですよ」

ハニカミながら私は答える。

「人に喜ばれたいんです。人に触れることがとっても好きなんです。」



***


セラピストなめんな!
なんてセラピスト仲間にキレながら吐き出して泣いたあの日。

人にはない自分の経験。絶対にここで活かしてやるって思ってた。

これからも嘘偽りのない私のままで居ることを変えることはしない。

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