現在連載中のゲーム内転生モノのラブコメ『ギャルゲー世界に推しヒロインの幼馴染として、全青春を懸けて主人公との恋を応援しようと思います~』にて、数名の読者様より以下のご質問が寄せられております。
「詩葉の幼馴染(奏斗)はゲームのシナリオに登場しなかったとあるが、それは、そんなキャラクターは居ないということなのでは? 居るのか居ないのかどっちなの!?」
これについて、大変曖昧な返答で申し訳ありませんが、居るか居ないかの二択で答えることは出来ません。登場するかしないかであれば『登場しません』。
何が違うんだぁあああ!? と思う方もいるかと思いますので、ボクの考えを説明します。
GGのシナリオに登場しない以上、GGをプレイするプレーヤーは詩葉の幼馴染というキャラクターを知りえませんし、恐らく想像すらしないでしょう。ですが、GGを制作した会社の製作陣が、詩葉というヒロイン像を構築する際に……
製作者A「そう言えば、詩葉ってヒロインそんなに勉強出来ないのによく学園の入試受かりましたね?」
製作者B「確かになぁ。ま、もしかすると詩葉の勉強の面倒を見てた幼馴染でもいるんじゃね?」
製作者A「なんですかそれ~」
……みたいに「詩葉に幼馴染がいてもおかしくないよね」といった感じでシナリオには登場しないけど、もしかしたらいるのかも? と勝手に想像することは出来ますよね。ということを作者であるボクは言いたかったのです。
GGのシナリオで描かれていない=存在しない、ではないんですよ。それが成立するなら、GGの世界にはシナリオに登場する数名のキャラクターしか生きていないことになりますからね。
シュレディンガーの猫じゃないですけど、シナリオで「詩葉の幼馴染」というキャラクターが登場せず、誰にも認知されていない以上、「居るとも居ないとも言えない」がもっとも正しい答えです。
確かにこの物語はボクが書いています。キャラリストを作り世界観の構築をして書いてます。GGという架空のゲームもボクが考えてます。故に、もちろんボクが詩葉の幼馴染の存在について決め、断言することは出来ます。
しかし、そうすると読者様方の想像の可能性をどちらか一つを消してしまうことになるんですよ。ボクが「居る」と言ったら居ない可能性が消えて、「居ない」と言ったら居る可能性が消える。確かにボクがそう断言した方がわかりやすいのは確かですが、面白いですか?
少し例を挙げると…………
A君「なぁ、何でこのキャラクターってヤンデレなんだ~?」
B君「え? そう言う設定だからだけど」
っていうのと、
A君「なぁ、何でこのキャラクターってヤンデレなんだ~?」
B君「さぁな~。実は両親に嫌われながら育って、愛に飢えてるから……とか?」
A君「いや、このキャラクターの両親とかゲームに出てきてねぇじゃん!w」
B君「いや、登場してないだけでいるかもしれないだろ~?」
といった感じで、何となくボクの言いたいこと察してくれました?
前者と後者のやり取り、どちらの方が面白そうですか?
ボクは断然後者です!
詩葉の幼馴染というキャラクターについても同じような解釈で、シナリオには登場しません。モブキャラですらモブキャラと認知されている以上少しの出番はあるんですからプレーヤーに認知されるので、存在が確定します。
詩葉の幼馴染というキャラクターが元々GGに存在するかどうか、重要なのはそこではなく、「居るかもしれないじゃん?」という可能性を残しておいた方が面白くないですか? だから作者であるボクは断言できないんです。
ですが、この思いを作中で描写し読者様方に伝えられなかったのは、ボクの力量不足です。疑問に思われた方は申し訳ありません。今後とも精進して参りますので、是非お付き合いいただけると嬉しいです。
では。