孝と忠義まで読まれた皆様へ
なぜ私が「徐庶」を推さずにいられないのか、少しだけ語らせてください
三国志には、星の数ほどの英雄がいます。
武勇轟く豪傑、天下を揺るがす軍師…。
でも、私の心を掴んで離さないのは、いつだって徐庶元直、その人なんです。
彼の物語は、派手なサクセスストーリーではありません。
むしろ、悲しくて、切ない。
でも、そのどうしようもない不器用さと、土壇場での一筋の誠実さに、私はたまらなく惹かれてしまうのです。
彼の弱さが、たまらなく愛おしいんです
まず、私が彼を好きな理由。それは彼の「完璧じゃない」ところです。
お母さんのことを想うあまり、冷静な判断を失ってしまう。
忠義と孝行の板挟みで、心が張り裂けそうになる。
そして、移籍先では心を閉ざし「生ける屍」になってしまう…。
強いヒーローなら、こんな時、何かすごい策で乗り越えるのかもしれません。でも、彼はただ苦しみ、悩み、絶望する。
この人間臭さが、もう…! 全部を一人で背負い込もうとする、その優しすぎる不器用さが、たまらなく愛おしいんです。
完璧じゃないからこそ、彼の痛みが自分のことのように伝わってくる。
私は、そんな彼の姿に自分を重ねてしまうんです。
あの劉備の優しさも、徐庶だからこそ引き出された
劉備が彼を温かく送り出す場面、本当に素敵ですよね。
でも、私はこうも思うんです。
劉備があそこまで優しくなれたのは、他でもない、徐庶がそれだけの価値のある、誰よりも誠実な男だったからだと。
「この男を失うのは痛い。だが、彼の親を想う心まで踏みにじってはいけない」。
劉備にそう思わせるほど、徐庶の人柄は清らかで、信頼に足るものだった。劉備の器の大きさを引き出したのは、徐庶の誠実さという鏡だったんだと、私は信じています。
そして、ここ!ここが推しの至高の見せ場なんです!
いよいよ、私が徐庶を推す最大の理由が詰まった、あの手紙のシーンです。(実際は分かりませんが、推薦した事実をドラマチックに描きました)
もう、ここを語り出すと涙が…。
自分が一番つらい時、希望を失い、ボロボロになっている時に、嫉妬や卑屈な気持ちなんて微塵もなく、親友の才能を心から信じて、かつての主人に推薦できる。
この気高さ! この友情の深さ! このどこまでも清らかな魂! これこそが、徐庶元直という人間の真骨頂なんです!
彼の手紙は、こんな祈りのようだったんじゃないでしょうか。
「劉備様、僕はもうダメです。でも、僕のことはもういいんです。どうか、僕が心から尊敬するあなたと、僕が世界一だと信じる友人・孔明が出会ってくれますように。二人の未来だけは、どうか輝かしいものであってほしい…」
自分の未来は閉ざされても、愛する人たちの未来は、絶対に閉ざさせない。その一念が、あの震える手で、歴史を動かす一通の手紙を書かせたのです。
最高すぎませんか…?
だから、私は徐庶が大好きなんです!
徐庶は、天下統一の表舞台には立てませんでした。
でも、彼は歴史が大きく動き出す、その「最初の一押し」をした、誰よりも重要な人物です。
自分が主役になるのではなく、最高の主役と最高の脚本家(孔明)を引き合わせるという、最高の「呼び水」になった。
誰かの未来のために、自分の最後の力をそっと差し出せる人。
そんな徐庶の誠実すぎる生き方が、私はたまらなく好きなんです。
この不器用で、優しくて、最高にカッコいい「私の推し」の魅力が、あなたの心にも少しでも届いたなら、こんなに嬉しいことはありません。
作者 木間暮サトル