『7億の損害を出したプラント電工、工業お嬢様学校の執事(専属電工)になる』、これにて完全竣工・引き渡し完了です。
最後までお付き合いいただき、ありがとうございました。
完結した勢いで、少し設計変更の裏事情(ぶっちゃけ話)でも書いておきます。
実はこの作品、本来は「お嬢様学園で電工バトルをする」というトチ狂った予定でスタートしていました。
ところが、7話を動かしている途中で、キャラクターが勝手に意思を持ち始めてしまった。美咲が、彼女自身のためにあの学園の門をくぐることは絶対にないな、と設計図との矛盾に気づいてしまったんです。
そこからどうルートを繋ぎ直すか、無理やりバトルを通すか、いっそ海外逃亡編にするか、正直かなり悩みました。
当初のプロット(仕様書)では、学園を無事に卒業した美咲に対して、直也が「これから頑張れよ、サヨナラ」と告げて去る、いわば『ラブコメジャンルなのに恋愛感情なしでヒロインを突き放す』という、最高に意地悪なオチを考えていたんです。
最初は美咲のこと「うざい女だな」と思いながら書いていたんですが、7話あたりで「あ、こいつめちゃくちゃ可愛いな」と、作者である俺がキャラクターに完全に負けました。
結果、お嬢様の看板を自ら捨てた美咲と、それを「また拾うだけだ」と受け入れる直也が、二人でハイエースに乗って現場へ向かうという、予定とは180度違う、けれどこれ以上ないほどロジックの通ったラストに辿り着きました。
男たちの長い論戦や安っぽい1億円の契約書なんかも、最後の最後で全部ゴミ箱に放り込んで削ぎ落としました。あのラウンジで一番言葉を尽くして戦うべきなのは、自分の足で泥の現場を選んだ、元・お嬢様だけだったからです。
改めて、最後まで付き合ってくれた読者の皆様に感謝を。
それでは、また次の現場で。