煮詰まってる?(44)は以下を叩き台にがんばってみます。
【44】(サブタイ未定)
まさにグールが獲物を求めて彷徨うごとく女性がじわりじわりとこちらに集まってきているのが見て取れる
かき集めた肌着をレジにかけ精算
急いで肌着コーナーを離れ服飾エリアに移動
試着コーナーに飛び込んで穿き替える
「キョウ様、脱いだ肌着を寄越してください」
カーテン越しに気更来さんが求める
「よごれものナンか、どうするんです?」
「餌、釣り餌にしてグールを遠ざけます」
「えっ! そんなのイヤですよ。誰かの手に渡るんじゃないですか?」
「ま、それはそうですけど……。今はそんな些末な事を気にしてはいけません。さあ、早く」
「納得できないけど……どうぞ」
まったく、納得できないけど専門家に委ねるしかないか?
仕方なくポリ袋にまとめたよごれものを気更来に
「おい、ポチ」
「誰がポチじゃ。それで何?」
気更来は周囲を警戒していた羽衣を呼ひよせ、作戦の概略を説明
「いいか? できるだけ遠くへ誘導しろ」
「なんで私が?」
「袋を開けて、嗅いでみろ」
「……ふぉ~! 濃厚な汚男《おなん》子の匂《にほ》いがぁあああ~! ふぉ~……ふぉ~……」
きゅっと締めた袋を開けて羽衣は嗅いで過剰リアクション
「逃げきったら、それはお前の物だ」
「本当《ほんと》か?」
「本当だ。キョウ様が認めてくれた」
いや、あんたが認めさせたよね。
そんな事されると知ってたらなら焼却してやった
「勢子犬ウイ、Go《いけ》!」
「バウ!!」
羽衣がボトムを頭にかぶりキャミソールを襟巻きのようにして駆け出していく
うぐぅ~、誰か許可したボクを殺して……。