ずっと積んでいました。
Steamのウィッシュリストに入れたのがいつだったのか、もう覚えていません。
インディーホラーが好き。
ローポリも好き。
「宇宙船で遭難した船員たちの話」というあらすじを見たとき、
「これ絶対好きなやつじゃん」
と思ったんです。
……思ったんですけどね。
なぜか後回しになっていました。
積みゲーって怖い。
ホラーゲームより怖い。
そして先日、ようやくプレイ。
気がついたら、クリアするまで席を立てませんでした。
トイレ?
知らん。
人類には我慢という機能があります。
どんなゲーム?
『Mouthwashing』は、スウェーデンのインディースタジオ「Wrong Organ」が開発した一人称視点のサイコホラーアドベンチャーです。
2024年9月の配信以降、Steamでは「圧倒的に好評」を獲得している人気作。
「圧倒的に好評」。
便利な言葉です。
Steamでこれを見ると、
「もうお前らそこまで言うなら買うよ!」
ってなります。
舞台は、宇宙を漂うポニー運送の長距離貨物船「タルパ号」。
隕石との衝突事故によって船は漂流。
救助なし。
食料なし。
未来なし。
ついでに職場環境も最悪。
そんな素敵な船です。
プレイヤーは事故前のカーリー船長と、事故後の船長代理ジミーを交互に操作しながら、バラバラになった時間軸を追いかけていきます。
プレイ時間は2〜3時間ほど。
短いです。
でも、このゲーム。
クリアしたあと考察を始めると、気が付けばYouTubeで一時間くらい溶けます。
怖い。
本当に怖いのは考察動画です。
ローポリという選択
正直、最初は少し甘く見ていました。
「ローポリかー」
「最近流行ってるよねー」
くらいの軽い気持ちでした。
数分後。
「ごめんなさい」
ってなりました。
このゲームのローポリ、予算の都合じゃないんですよ。
完全に美学。
角張った顔。
歪んだ影。
ぬるっとした動き。
全部気持ち悪い。
褒めています。
すごく褒めています。
現実より、ほんの少しだけ悪夢に近い。
その「ほんの少し」が嫌。
本当に嫌。
でも、その嫌さがたまらない。
なんでしょうね、このゲーム。
変な性癖でも開発したんでしょうか。
「人間が壊れていく」を描くゲーム
このゲーム、一番怖いのはモンスターじゃありません。
化け物でもありません。
ジャンプスケアでもありません。
人間です。
結局これ。
ホラーって最後は人間なんですよ。
嫌な結論だな。
閉鎖空間。
少しずつ壊れていく人間関係。
積み重なる絶望。
そして、
「お前、なんでそんなことした?」
「いや、そうはならんやろ」
「そうはならんやろ……」
「なっとるやろがい!」
みたいな感情を何度も味わうことになります。
つらい。
でも続きが気になる。
つらい。
でも止められない。
完全に沼です。
ホラー好きに刺さる理由
ホラーって、
「驚かせるホラー」と
「じわじわ侵食してくるホラー」
の二種類があると思っています。
『Mouthwashing』は完全に後者。
プレイ中より、終わったあとが怖い。
「あのシーンなんだったんだ?」
「あの人何考えてた?」
「え、あれってそういう意味?」
などと考え始める。
そして考察動画を見る。
さらに混乱する。
コメント欄を見る。
さらに混乱する。
Redditを見る。
完全に沼。
おめでとうございます。
あなたもタルパ号の乗組員です。
総評
2〜3時間で遊べる短編ゲームとして、完成度はとんでもなく高いです。
映画一本くらいの時間で遊べるのに、映画一本以上のダメージを受けます。
ホラーが好きな人。
閉塞感のある物語が好きな人。
「語られない部分」を想像するのが好きな人。
そういう人には全力でおすすめ。
ただし。
グロいです。
普通にグロいです。
そこだけは先に言っておきます。
あと、このゲーム。
クリアすると誰かと感想を語りたくなります。
ひとりで抱えるにはちょっと重い。
というか、
「ちょっと聞いてくれ!」
ってなる。
私はなりました。
なったんです。
そして本作、日本のホラー映画『回路』や『ノロイ』から強い影響を受けているそうです。
プレイ後に知ったんですが、
「なるほどなぁ」
と妙に納得。
特にダイスケ。
あれ、『回路』の川島亮介役で出演していた加藤晴彦さんじゃん。
映画化するという噂もあったらしいのですが……。
嘘だったようです。
ちぇっ。
宇宙で、人間は壊れていく。
そしてプレイヤーも、少しだけ壊れていく。
そんなゲームでした。
いや、ちょっとどころじゃないかもしれませんけど。
あと、どーでもいいけど……。アーニャさん。好みのタイプです。