## 原作乙女ゲーム『月の愛し子』概要
原作乙女ゲーム『月の愛し子』は、謎めいた少女アーシャが王都で複数の攻略対象と出会い、自分の出自や失われた過去に触れていく乙女ゲームである。
攻略対象は以下の五人。
- イオ
- アレクセイ
- ヴァレル
- セドリック
- オルフェリオ
ただし、オルフェリオルートは最初から選べるルートではない。
攻略制限解除後、アレクセイルートから分岐する隠しルートである。
リディアは公爵令嬢であり、王太子レオニスの婚約者。
原作乙女ゲーム『月の愛し子』では、主人公アーシャを敵視する悪役令嬢として登場する。
原作リディアは傲慢で嫉妬深く、自分の身分や婚約者としての立場に強く執着していた。
アーシャが攻略対象たちと関わるたびに妨害し、各ルートで破滅する。
本作のリディアは、その原作リディアの身体に転生した少女である。
前世では現代日本の女子高生で、『月の愛し子』をプレイしていた。
ただし、原作知識は万能ではない。
リディアは通常攻略対象であるイオ、アレクセイ、ヴァレル、セドリックのルートはプレイ済み。
ただしイオは好みではなかったため、強制スキップを多用して進めており、思い出の箱のような中盤イベントを忘れていた。
彼女の本命は、攻略制限解除後に解放されるオルフェリオだった。
(見た目が好みだった)
リディアは、他の四人のルートを終え、いよいよ本命のオルフェリオルートを始めようとしたところで死亡した。
そのため、オルフェリオルートの真相を知らない。
彼女が知らないことは多い。
- 聖典に触れることがオルフェリオルート解放の最初のフラグであること
- オルフェリオの魂の復活が、村の教会地下にある聖典をトリガーにしていたこと
- フィンが禁忌の子であること
- フィンの身体にオルフェリオが宿る理由
- オルフェリオの家系が祝福ではなく誓約魔法によって縛られていたこと
- 原作オルフェリオルートに、彼のためのハッピーエンドが存在したこと
このため、リディアは原作知識を持っていても、一番重要な真相を知らない。
とくにアレクセイルートでノクス族の村へ行くことについては、危険な気配を感じつつも、それがオルフェリオ復活の決定的なフラグだとは知らなかった。
リディアにとってレオニスは恐怖の対象である。
原作の各ルートで、リディアは何らかの形で破滅する。
セドリックルートでは、アーシャを魔女として告発した結果、自分が魔女として処刑される。
イオルートでは、刺客事件やアーシャの価値を巡ってレオニスに利用され、処刑または修道院送りに見せかけて殺される。
アレクセイルートでは、革命によって王家と貴族社会の象徴として処刑される。
必ず死ぬと決まっているわけではない。
首を突っ込まなければ助かる可能性はある。
しかしレオニスは、どんな事件も政治的に利用する男である。
リディアが少しでも火種になれば、彼はリディアの死さえ盤面の整理に使う。
だからリディアは、レオニスの婚約者であることを心底恐れている。
周囲から見れば最高の縁談でも、彼女にとっては処刑台への道に等しい。
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## 共通設定
アーシャは、銀髪に黄金の瞳を持つ少女。
表向きには、滅びた民族ノクス族の末裔と思われている。
ノクス族は月の女神の加護を受けた一族とされ、現代では神話や伝承に近い存在になっている。
しかし実際のアーシャは、単なる末裔ではない。
五百年前から現代へ送られた、ノクス族そのものの生き残りである。
ノクス族は夜に本来の姿と力が表に出る。
アーシャも夜であれば魔法を使うことができ、古い魔術や魔法陣、古代魔具に関する知識を持っている。
王家は当初、アーシャを「ノクス族の末裔かもしれない珍しい少女」と見ている。
しかしルートが進むにつれ、彼女の戦闘能力、魔術、古代知識が明らかになり、アーシャは国宝級の存在として王家や教会、貴族社会に狙われるようになる。
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## イオルート
### 記憶、古代魔具、忘却の魔術のルート
イオルートでは、アーシャは王城に半ば保護、半ば幽閉されている。
王家はアーシャを第4王子フィンの婚約者候補として置いているが、実際にはその神秘性と血筋を管理しようとしている。
アーシャは逃げようと思えば逃げられる力を持っているが、ユースティス家の人々を実質的に人質にされているため、城から逃げ出せない。
イオは古代魔具研究を通じてアーシャと関わる。
二人は少しずつ心を通わせていくが、アーシャは王家の管理下にあり、自由には動けない。
一方、リディアは城にいるアーシャを疎み、連日刺客を送る。
アーシャは夜なら魔法を使えるため、結界魔法で刺客を退けていた。
しかし、刺客の数は次第に増え、追い返すだけでも負担になっていく。
レオニスは、リディアが刺客を送っていることに気づいている。
だが止めない。
むしろ、刺客を通じてアーシャの能力を観察している。
結界魔法。
戦闘能力。
古い知識。
夜にだけ表れる力。
レオニスは、アーシャがただのノクス族の末裔ではないのではないかと疑い始める。
さらにリディアはアーシャに直接脅しをかける。
レオニスはユースティス家を盾にし、リディアは城に残る限り刺客を送り続ける。
追い詰められたアーシャは、イオとは魔術を使わないと約束していたにもかかわらず、忘却の魔術を使って自分の存在を人々の記憶から消そうとする。
### ハッピーエンド
イオが刺客に紛れてアーシャを助けに来る。
そのためレオニスの介入が一歩遅れ、アーシャは忘却の魔術を発動して逃げ切る。
部屋には、刺客を連れたリディアとレオニスだけが取り残される。
レオニスは状況のすべてを把握できない。
しかし、リディアが刺客を連れていたことは明らかだった。
レオニスはこれを利用し、リディアが王太子である自分を暗殺しようとしたとして処刑する。
アーシャはかつて聖地だった場所に匿われる。
この時点では魔素封じの腕輪を持っていないため、夜の姿は隠せない。
しかし、銀髪と黄金の瞳、月にまつわる力は、聖地では「聖女」として受け入れられる。
その後、思い出の箱によって記憶を取り戻したイオがアーシャのもとへ辿り着く。
二人は王都から離れた小さな村で、魔道具の工房を立ち上げて暮らす。
### バッドエンド
アーシャが忘却の魔術を発動する直前、レオニスが介入する。
忘却の魔術を見たことで、レオニスは確信する。
アーシャはノクス族の末裔ではない。
ノクス族そのものだと。
レオニスはアーシャを王家が直接管理すべき国宝と判断する。
アーシャは「王家が保護した聖女」とされ、身分を整えるために公爵家の養女にされる。
その後、最終的にはレオニス自身の婚約者として王家に取り込まれる。
リディアは表向きには修道院送りとなる。
本来なら死罪だったが、父親の懇願により修道院送りに留められた、という形にされる。
しかし実際には殺されている。
公爵家はリディアを人質に取られた形で、レオニスの傀儡となる。
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## アレクセイルート
### 魔獣、王都混乱、革命のルート
アレクセイルートでは、アーシャはアレクセイと共に魔獣と戦う中で距離を縮める。
アレクセイはアーシャをただ守られる少女とは見ない。
共に戦える相手として認める。
アーシャもまた、彼の隣で自分の力を使いながら、自分の過去と向き合っていく。
やがてアーシャは、自分の過去を知るため、アレクセイと共にノクス族の村跡へ向かう。
村には、かつてノクス族の教会があった。
地上は焼け落ち、荒廃しているが、地下には保護の魔術が施された空間が残っている。
その地下はノクス族しか鍵を開けられず、五百年経っても保存状態が極めて良い。
そこでアーシャは、聖典を見つける。
原作アレクセイルートでは、この聖典が何を意味するのかは明確には語られない。
村へ行ったことが後の異変のきっかけなのかも、はっきりとは分からない。
その後、王都では不穏な事件が相次ぐ。
王都の結界が壊れる。
魔獣が街へ入り込む。
王家と貴族への不信が高まる。
フィンが変な本に触れたあとから様子がおかしくなったように見える。
王都の子どもが誤って結界を壊してしまったような描写もある。
プレイヤーには、何が本当の原因なのか分からないように描かれる。
実際には、結界はもともと脆くなっており、子どもが触れたことで崩れたように見えただけだった。
フィンも本に触れたからおかしくなったのではなく、その時点ですでに憑依されていた。
だが、その真相はこのルートでは明かされない。
### バッドエンド
王家への不信が爆発し、革命が起こる。
リディアは王太子レオニスの婚約者であり、公爵令嬢であるため、市民の怒りを一身に受ける。
王家と貴族社会の象徴として捕らえられ、処刑される。
アーシャとアレクセイも混乱を止めきれず、王都は大きな傷を負う。
### ハッピーエンド
アーシャとアレクセイは、魔獣被害と王都の混乱を止めるために奔走する。
原因は完全には明かされないままでも、二人は結界の修復や魔獣の討伐に関わり、革命の拡大を食い止める。
王都の不信は完全には消えないが、大きな崩壊は避けられる。
アレクセイは魔獣の森に近い辺境で、国を立て直すために戦い続ける。
アーシャもその隣で、自分の力と過去に向き合いながら生きていく。
ただし、このルートではオルフェリオの真相は明かされない。
村の聖典、フィンの異変、王都の結界崩壊がどのようにつながっていたのかは、攻略制限解除後のオルフェリオルートに持ち越される。
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## セドリックルート
### いわゆる悪役令嬢もののルート
セドリックルートは、もっとも典型的な悪役令嬢ものに近い構成を持つルートである。
セドリックは第2王子。
清廉潔白で真面目な人柄を持ち、騎士団を援助している。
アーシャは、騎士団や王都での出来事を通じてセドリックと関わる。
最初のアーシャは聖女ではない。
貴族でもなく、ただの謎めいた少女としてセドリックと距離を縮めていく。
リディアは、それが気に入らない。
王子と親しくなっていく、身分もはっきりしない少女。
特別な肩書きもないのに、セドリックに大切にされるアーシャ。
リディアは嫉妬し、嫌がらせをする。
やがてリディアは、アーシャの夜の姿を目撃する。
銀髪、黄金の瞳。
夜にだけ表れる異質な姿。
現代の人間には理解しがたい魔法。
リディアはアーシャを魔女として告発する。
しかしレオニスは、その特徴からアーシャがノクス族に関わる存在だと気づく。
魔女として処分するどころか、利用価値のある存在として見始める。
リディアは納得できず、さらに暴走する。
自分は魔女を告発したはずなのに、アーシャは守られ、特別扱いされていく。
状況は混乱する。
セドリックは、アーシャがレオニスに取り込まれることを防ぐため、ルシアに頼む。
ルシアは教会側と深く関わる立場にあり、アーシャを教会預かりの聖女として保護する道を作る。
物語の終盤、アーシャは魔女ではなく、教会預かりの聖女とされる。
リディアは、聖女を虐げた悪女として告発される。
もともと国民からも不興を買っていたため、世論はリディアに厳しく傾く。
レオニスは、リディアをこれ以上傍に置いていてもデメリットになるだけだと判断する。
さらにセドリックと王位を争っているレオニスにとって、この混乱は面白くない。
そこでレオニスは、リディアを切り捨てる。
リディアは魔女として処刑される。
アーシャとセドリックは結ばれる。
しかし、アーシャは教会預かりの聖女ではあっても、もとは平民である。
そのため、セドリックとレオニスの王位争いが完全に決着したわけではない。
物語は、二人の想いが結ばれた一方で、王位争いの行方には不穏さを残したまま幕を閉じる。
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## ヴァレルルート
詳細は考え中。
現時点では、日常、居場所、帰れない場所を持つ者たち、リディアやユナとの秘密共有などが軸になる予定。
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## オルフェリオルート
### 攻略制限解除後、アレクセイルートから分岐する隠しルート
オルフェリオルートは、攻略制限解除後にアレクセイルートから分岐する隠しルートである。
ただし物語の最初、アーシャが村で目を覚ました後に教会を訪れて、聖典に触れていることがフラグ。
リディア改変による本編では、最初に聖典に触れるというムーブが存在しないため、アレクセイルートから分岐する特殊エンドしかない。
このルートでは、アレクセイルートで曖昧に描かれていた事件の真相が明かされる。
王都の結界崩壊。
フィンの異変。
魔獣の侵入。
革命の気配。
ノクス族の村の聖典。
それらは別々の事件に見えていたが、実際にはオルフェリオの魂の復活と復讐につながっていた。
オルフェリオは、五百年前のノクス族であり、アーシャの幼なじみ。
彼の家系はノクス族の中でも特殊で、唯一村の外へ出ることを許された家系だった。
外の技術や情勢を取り入れるための役目を担っていたのである。
人々は、彼らが夜になっても姿を変えないことを、女神の祝福だと思っていた。
しかし実際には、生まれた時に誓約魔法をかけられていた。
半年以上、絶対に村から離れられない。
その条件と引き換えに、夜になっても姿が変わらない。
オルフェリオは外へ出られる特殊な立場を利用し、王城にも魔術を仕込んでいた。
魂の復活時、彼の魂は王城に現れるようにしていたのである。
ただし、発動条件は王城ではない。
ノクス族が、村の教会地下に保管された聖典に触れること。
村の教会地下は保護の魔術によって守られており、ノクス族しか鍵を開けられない。
聖典も五百年を経ても綺麗な状態で保管されていた。
オルフェリオは、未来へ送られたアナスタシアがいつか必ず村へ戻ると考えていた。
そして、村に残された聖典を見つければ、必ず触れると読んでいた。
そのため、聖典をトリガーにした。
アーシャが聖典に触れたことで、オルフェリオの魂の復活魔術が発動する。
彼の魂は王城に現れ、魂と肉体の結びつきが弱いフィンに憑依する。
フィンは第4王子であり、攻略対象ではない。
しかし彼は幼い頃に一度死に、禁忌の蘇りの術で現世へ戻された存在だった。
そのため、魂と肉体の結びつきが弱く、オルフェリオにとって憑依しやすい器となっていた。
フィンが禁忌の子であることは、通常ルートでは明かされない。
オルフェリオルートで初めて判明する。
オルフェリオの目的は二つ。
アナスタシアにもう一度会うこと。
そして、王家に復讐すること。
彼はフィンの身体と王城に仕込んだ魔術を利用し、王都の結界を乱し、魔獣を呼び込み、王家と貴族社会への不信を広げていく。
アレクセイルートで原因不明に見えていた事件は、すべてここで繋がる。
フィンが変な本に触れたからおかしくなったのではない。
その時点で、彼はすでに憑依されていた。
子どもが結界を壊したのではない。
結界はすでに内側から脆くされており、少し触れただけで崩れたにすぎない。
村の聖典こそが、オルフェリオ復活の本当のトリガーだった。
### ハッピーエンド
アーシャは、オルフェリオと向き合う。
彼が自分に会いたかったこと。
王家を憎んでいたこと。
五百年の間、アナスタシアを思い続けていたこと。
そして、その執着がフィンと王都を巻き込んでしまったこと。
アーシャは彼を殺すのではなく、彼の魂を鎮めようとする。
フィンもまた、オルフェリオの器として消費されるのではなく、自分自身として生きる道を取り戻す。
オルフェリオは最後に、アナスタシアへの執着と復讐を手放す。
フィンは救われ、アーシャは過去に囚われるのではなく、今を生きる選択をする。
### バッドエンド
オルフェリオは復讐を手放せない。
フィンの身体は完全に器として使われ、王都の結界は崩壊し、魔獣と民衆の混乱によって王家と貴族社会は大きく揺らぐ。
アーシャもまた、オルフェリオの過去への執着に引きずられ、今を生きることができなくなる。
王都は混乱に呑まれ、フィンも救われない。
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リディアの介入により、セドリックとオルフェリオのルートは消滅。
セドリックの代わりに公爵家が騎士団を支援したこと、聖典に初期に触れるというフラグをへし折ったことで起こった。
その代わりにレオニスとルシアのルートが出現。この2人のルートは本来なかったもの。