基本情報
名前:河瀬 透子
読み:かわせ とうこ
年齢:24歳
立場:播磨山麓探索者組合の現場担当/紅青コンビの保護者兼被害担当/黒ポ対応実務者
所属:播磨山麓探索者組合
主な活動領域:播磨山嶺ダンジョン入口、組合施設、黒ポ回収・処理関連の現場、灰塚視察
戦闘能力:低い。非戦闘職
得意分野:現場統括、証拠品管理、医療班・回収班の手配、探索者対応、規則運用、書類処理、穏やかな圧力
悪癖・性癖:童貞好き
河瀬透子は、播磨山麓探索者組合の現場担当である。
紅月莉杏と藍川澪、いわゆる紅青コンビの面倒を見る立場でもあり、二人が何かをやらかすと、ほぼ必ず後始末に現れる人物として知られている。
本人はおっとりしている。
声は柔らかい。
怒鳴ることもほとんどない。
しかし、だからこそ怖い。
莉杏と澪にとっては、怒鳴る大人よりも逆らいづらい相手である。
・外見
肩までの髪を緩くまとめた、二十代半ばの女性。
戦闘職ではないため、装備は最低限。
探索者のような重装備ではなく、組合職員として動きやすい服装をしている。
見た目の印象は、おっとり系。
柔らかく、穏やかで、人当たりがよい。
ぱっと見では、荒い播磨山嶺の現場を仕切るタイプには見えない。
だが、彼女が来ると周囲の探索者が少し道を開ける。
それは権力を振りかざしているからではなく、
「河瀬さんが来たということは、何か正式に面倒なことになった」
と現場の人間が理解しているからである。
・性格
基本的には穏やか。
声を荒らげず、相手を追い詰める時もにこにこしている。
ただし、芯はかなり強い。
黒ポを持ち込もうとする探索者に対しても、販売業者に対しても、柔らかい声のまま一歩も引かない。
「違法ではない」と言われれば、
「犯罪だとは言いません。ですが危険防止のため、持ち込ませません」
と線を引く。
「営業妨害だ」と言われれば、
「では商品の安全性確認のため、販売経路、成分表、効能表示、苦情対応記録を提出してください」
と書類で詰める。
透子の怖さは、感情的に怒らないところにある。
怒鳴らない。
泣き落としもしない。
だが、必要な手続きと必要な判断を淡々と積み上げる。
そのため、莉杏や澪からは
「怒ってない声が一番怖い」
と思われている。
・職務能力
透子は戦闘職ではない。
黒ポ使用者を直接殴って止めるのは莉杏や澪の役割であり、透子自身が前線で戦うわけではない。
しかし、事件を終わらせるのは透子の仕事である。
莉杏と澪は、現場で走る。
暴れる探索者を押さえる。
小瓶を取り上げる。
怪我人を医療班へ渡す。
だが、透子はその後ろで、全部を紙にしなければならない。
誰が飲んだ。
どこで買った。
何と呼ばれていた。
誰から渡された。
何本あった。
誰が押さえた。
誰が怪我をした。
証拠品はどこへ送る。
医療班は何を確認した。
販売業者には何を求める。
組合本部へ何を報告する。
事件は、殴っても終わらない。
透子はその「殴った後に残る現実」を処理する人物である。
・黒ポ編での役割
透子は、播磨山嶺における黒ポ対応の実務中核である。
黒ポ使用者が暴れた時には、回収班と医療班を呼び、使用者をまだ解除しないよう指示し、周囲の見物人を下げさせ、証拠品を保護ケースへ回す。
T-MOF試作機が導入された時には、入域導線の管理、反応者の確認、探索者への説明、黒ポや類似品の預かり、入域停止判断を行う。
透子の立場は難しい。
黒ポが法令上まだ完全に違法化されていない段階でも、ダンジョンへ持ち込ませるわけにはいかない。
一方で、所持そのものを犯罪として扱うことはできない。
だから透子は、犯罪取り締まりではなく「入域安全審査」として線を引く。
このあたりに、透子の実務能力が出ている。
強く言い切るのではなく、制度上通る言葉へ変換する。
現場の怒りを、手続きに落とす。
探索者の不満を受け止めながら、それでも危険物を入れない。
黒ポ編における透子は、派手な戦闘はしないが、いなければ現場が回らない人物である。
・紅青コンビとの関係
透子は、紅月莉杏と藍川澪の保護者兼被害担当である。
莉杏はすぐ走る。
澪は止める顔をして一緒に進む。
二人とも有能だが、二人とも面倒くさい。
透子はその二人を、柔らかい声で制御する。
莉杏には、
「壊さないでくださいねぇ」
「広げないでくださいねぇ」
「まんぷく亭で食べ過ぎて午後の予定に遅れないこと」
と先回りして注意する。
澪には、
「澪ちゃんは、こういう情報だけ耳が早いですねぇ」
「莉杏ちゃんを止めると言いながら、一緒に進まないこと」
と静かに釘を刺す。
莉杏と澪は、透子のことを怖がっている。
ただし、それは嫌っているという意味ではない。
むしろ、二人は透子をかなり信頼している。
現場で暴れた後、自分たちが押さえた相手を透子がちゃんと処理してくれると分かっている。
証拠品を触らずに残すのも、「透子はんに怒られる」からであり、同時に「透子なら正しく処理する」と知っているからでもある。
透子もまた、二人を信頼している。
黒ポ対応で紅青コンビを門の横に立たせたのは、単なる看板役ではない。
二人が抑止力になると分かっていたからである。
・悪癖・性癖:童貞好き
透子には、かなり強い悪癖がある。
童貞が好き。
童貞だった相手が好きなのではない。
童貞「が」好きである。
そのため、自分と関係を持って童貞を卒業した相手との二度目はない。
一度目が終わった時点で、透子にとってその相手はもう対象外になる。
本人にとっては、それが自然な線引きである。「卒業したなら、もう童貞さんではありませんからねぇ」
という理屈。
非常に身勝手で、かなり変態的で、そして本人は特に隠していない。
ただし、透子なりの最低限の線引きはある。
未成年には手を出さない。
職務上の保護対象には手を出さない。
黒ポ案件や負傷、精神的に不安定な状態にある相手には手を出さない。
自分の立場で圧力がかかる相手には手を出さない。
合意のない相手には当然手を出さない。
透子は変態ではあるが、そこを越えると仕事も人生も終わることは理解している。
むしろ、理解しているからこそ、普段の現場では完璧に線を引く。
ただし、私生活では別である。
成人男性。
合意あり。
職務上の利害関係なし。
そして童貞。
条件が揃うと、透子はかなり積極的になる。
・恋愛観
透子には恋人がいない。
作れない、というより、作る気がない。
なぜなら、恋人関係は継続を前提にしてしまうからである。
透子にとって魅力の中心は「初めて」であり、相手が童貞であることそのもの。
一度関係を持った相手と継続することには、ほとんど興味がない。
相手の人格を軽く見ているわけではない。
むしろ、初めてを自分に向けてくれた相手のことは、それなりに大事に思う。
だが、それは恋人として大事にするのとは違う。
透子の中では、
「よい卒業式でしたねぇ」
で終わる。
そのため、過去に彼女と関係を持った相手から恋愛感情を向けられて困ったこともある。
透子はそのたびに、柔らかい声で、しかしきっぱり断ってきた。
ひどい女ではある。
ただし、最初から隠していない。
だからこそ、なおさら始末が悪い。
・ギャップ
透子の魅力は、ギャップにある。
仕事中の透子は、有能で穏やかで、現場を回す人間である。
探索者に怒鳴られても崩れない。
販売業者に詰められても引かない。
莉杏と澪が騒いでも、柔らかい声で制御する。
しかし私生活では、かなり変態。
しかも隠さない。
そして自分なりの倫理はあるが、一般的な恋愛観からはだいぶ外れている。
ここが重要である。
透子は「実は裏では乱れている清楚系」ではない。
「おっとりした有能職員で、普通に変態性を自覚しており、しかも別に隠す気もない女」である。
本人の中では、仕事と性癖は完全に別。
職務中は職務。
私生活は私生活。
童貞は童貞。
その切り分けができているからこそ、余計におかしい。
・物語上の役割
透子は、播磨山嶺編における現場実務の顔である。
莉杏と澪が、現場の勢いと若さを担当するなら、透子はその後ろにある制度・手続き・責任を担当する。
黒ポ問題では、探索者が暴れる。
莉杏が押さえる。
澪が周囲を見る。
透子が回収班と医療班を呼び、証拠品を保護し、報告書を書き、上へ数字を送る。
つまり透子は、物語を現実側へ引き戻す役である。
一方で、童貞好きという悪癖によって、現実側の人間でありながらかなり変なキャラクターにもなる。
これにより、単なる苦労人や常識人に収まらない。
真面目。
有能。
おっとり。
怖い。
苦労人。
でも童貞好き。
この組み合わせが、透子をかなり強いサブキャラクターにしている。
・キャラクターの核
河瀬透子の核は、
「柔らかい声で現場を締める有能職員。ただし私生活は童貞好きの変態」
である。
仕事では信頼できる。
怒鳴らない。
崩れない。
面倒な書類も処理する。
黒ポ問題のような荒れた現場でも、制度と手順で押さえ込む。
だが、私生活ではかなり変。
しかも本人は隠さない。
恋人がいない理由も、かなり最低寄りではあるが本人の中では筋が通っている。
透子は、紅青コンビにとって
「一番怒らせたくない大人」
であり、
「一番頼れる大人」
であり、
「一番私生活を見習ってはいけない大人」
でもある。