基本情報
名前: リリアーヌ・エレオノール・ド・ヴァロワ
愛称: リリー
年齢: 18歳
※初登場時は17歳。日本滞在中に18歳の誕生日を迎えた。
国籍: フランス
立場: フランス共和国登録探索者/ヴァロワ家令嬢
探索者等級: Aランク
登録年齢: 15歳
所属形態: 個人
常時同行者: メイヤ
主武器: 細身の剣
防具: 軽量防具
固有スキル: 現時点では明確な設定なし
現在の主な滞在地: 日本
現在の目的: メイヤの出自・魔族としての性質・秋芳洞で判明した事実の確認と、その後の経過観察への同行
二つ名・世間からの評価
欧州探索者界では比較的名の知られた若手探索者。
主に、
「ヴァロワ家の青百合」
「無傷の令嬢探索者」
「優雅なる姫騎士」
などの呼び名で知られている。
金髪碧眼の名門令嬢が細身の剣を手にダンジョンへ入り、ほとんど傷を負わず帰還することから、新聞、配信、社交界などで華やかに扱われている。
ただし、本人はこうした評価をかなり大げさだと思っている。
自分より圧倒的に強いメイヤを日常的に見ており、訓練では毎朝のように転がされているため、自分自身を天才や最強の探索者だとは考えていない。
概要
リリアーヌは、フランスの名門ヴァロワ家に生まれた令嬢であり、十五歳から正式な探索者として活動している。
学生生活を続けながら休日や長期休暇を利用してダンジョンへ入り、十層から十二層付近を主な活動範囲としてきた。
一見すると、
最大到達十二層。
高位個体討伐歴なし。
階層主討伐歴なし。
大規模スタンピード参加歴なし。
公的救助任務歴なし。
大規模遠征歴なし。
と、Aランク探索者としては華々しい経歴に欠ける。
しかし、リリアーヌの異常さは討伐数や到達深度にはない。
十二層まで進む。
魔石や希少素材を採取する。
予定時間内に戻る。
負傷しない。
救難信号を出さない。
重大な装備破損を起こさない。
これを学生生活と並行しながら、何度も繰り返している。
フランスのAランクは純粋な戦闘力だけではなく、持ち帰った魔石や素材など、社会へ供給した資源価値も大きく評価される。
リリアーヌは無謀な深層攻略や高位個体討伐によって評価されたのではなく、
「極めて安定して探索を成功させ、利益を持ち帰り続ける」
ことでAランクへ到達した探索者である。
外見
金糸を思わせる美しい金髪。
青い瞳。
年齢相応の若さを残しながらも、名門の家に生まれ育った者らしい落ち着いた佇まいを持つ。
姿勢や所作も自然に整っており、紅茶を飲んでいるだけでも「令嬢」と分かるような雰囲気がある。
ただし、本人が意識的に気取っているわけではない。
普段の服装も上品ではあるものの、探索時には実用性を優先する。
探索装備は比較的軽量。
主な装備は、
・細身の剣
・軽量防具
・照明具
・携帯食料
・水
・応急処置用品
・記録端末
など。
大型盾や重装甲、大型モンスター用の重量武器などは基本的に使用しない。
性格
基本的には落ち着いている。
名門令嬢らしい品の良さはあるが、高慢ではない。
自分の家柄や地位を振りかざすことも少なく、現場では探索者として必要な指示やルールに従う。
好奇心はかなり強い。
日本へ来てからも、
東京観光。
灰塚探索者組合。
商店街。
富士山。
各地の食事。
街歩き。
などを普通に楽しんでおり、本来の目的地へ向かう途中でも頻繁に寄り道している。
本人は寄り道している自覚が薄く、
「初めて来たのだから見るべき」
程度に考えている。
一方で、探索時には非常に慎重。
未知のものを見ること自体は好きだが、危険な未知へ無意味に近づくことは好まない。
遠くから見る未知は好き。
近くにある危険な未知は嫌い。
そのため、
好奇心は強いが、冒険心に任せて無茶をする人物ではない。
危険を感じれば躊躇なく止まり、必要なら撤退する。
目的地が目の前にあったとしても、一度戻って安全な方法を考えることができる。
思考傾向
リリアーヌは非常に観察力が高い。
特に、
「何かが起こった後に対処する」のではなく、「何かが起こる兆候を見つける」
ことに長ける。
見るものは特別な魔法的情報ではない。
例えば、
・壁面に残った水跡
・湿度
・爪痕
・体毛の落ち方
・石灰粉
・水滴の位置
・石のずれ
・床の色
・粉塵の溜まり方
・音の反響
・影の揺れ
・モンスターの縄張り跡
など。
他の人間にも見えている情報を拾い、それらを組み合わせて、
「ここは危ない」
「この先に何かいる」
「この経路は使わない方がいい」
と判断する。
一見すると未来予知や危険察知系スキルのように見えるが、現時点では明確な固有スキルとしては設定されていない。
本文上では、
異常に高い観察力・状況判断力・経験則による危険予測
として描かれている。
探索能力
リリアーヌ最大の強み。
戦闘力そのものではなく、
生きて帰る能力。
危険な場所へ入らない。
戦う必要のない敵とは戦わない。
水位が変わる兆候があれば予定経路を捨てる。
大型個体の縄張りが変化していれば迂回する。
崩落の可能性があれば下層へ進まない。
未知の鳴き声が聞こえれば探索範囲を縮める。
成果が減っても、安全を優先する。
その結果として、
「負傷なし」
「救難なし」
「帰還遅延なし」
という記録を長期間積み重ねている。
リリアーヌにとって優秀な探索者とは、
最も多く敵を倒した者ではなく、
目的を果たして地上へ戻れる者
に近い。
戦闘能力
主武器は細身の剣。
剣士ではあるものの、真正面から力で敵を押し切るタイプではない。
リリアーヌ自身も、自分が圧倒的な戦闘力を持っているとは考えていない。
戦闘時にも探索時と同じく、
相手が動く前の兆候を見る。
攻撃軌道から先に外れる。
安全な位置へ移動する。
必要な場所だけを斬る。
体勢を崩した敵をメイヤへ任せる。
という戦い方をする。
攻撃を見てから大きく回避するのではなく、
攻撃が来る頃には既にその場所から外れている
ことが多い。
フランスでの活動記録上、
リリアーヌ本人への攻撃命中記録は確認されていない。
防具で攻撃を受けた記録もなく、戦闘による防具破損もほぼ存在しない。
これが「無傷の令嬢探索者」という呼び名に繋がっている。
戦闘力の位置づけ
リリアーヌは、玲奈、暦、エリカなどのように単独で高位個体を圧倒するトップ戦闘型探索者ではない。
単純な破壊力や身体能力では、メイヤにも遠く及ばない。
しかし、
危険を察知する。
安全な経路を選ぶ。
無意味な戦闘を避ける。
必要な時だけ剣を使う。
という能力が非常に高い。
そのため、通常の「誰が一番強いか」という評価では実力を見誤られやすい。
秋芳洞第一次調査では、当初は鬼龍院綾女が先頭を担当していた。
しかし探索が進むにつれ、
リリアーヌが危険を発見する。
メイヤが危険を排除する。
綾女が中央で指揮する。
という形が最も安全だと判断され、帰路ではリリアーヌが先頭を担当している。
メイヤとの探索スタイル
リリアーヌとメイヤは、基本的に二人で一つの探索単位として考えるべき存在。
リリアーヌが危険を見つける。
メイヤが必要な脅威を排除する。
リリアーヌが安全な経路を選ぶ。
メイヤが退路を守る。
リリアーヌが止まれば、メイヤも理由を聞く前に止まる。
メイヤが動けば、リリアーヌはその能力を信用する。
この連携には長い説明を必要としない。
そのため、単独実績だけを見ると両者とも評価しにくい。
リリアーヌの討伐記録はそれほど多くない。
メイヤには単独探索実績がほぼない。
しかし二人を一組として見ると、
「危険へ入らず、入ってしまった危険は排除し、必ず帰ってくる」
非常に完成度の高い探索チームになる。
メイヤとの出会い
メイヤと出会ったのは約五年前。
スタンピード後の混乱の中で、身元不明の少女として保護された。
家族不明。
出身地不明。
過去の記憶なし。
行く場所もなかったメイヤを、リリアーヌはヴァロワ家へ迎え入れた。
最初は客人。
その後、侍女見習い。
現在はリリアーヌ専属メイド。
しかし実際の関係は、主人と使用人という言葉だけでは説明できない。
メイヤとの関係
リリアーヌにとって、メイヤは最も重要な人物。
家族。
専属メイド。
護衛。
探索の相棒。
生活を共にする相手。
そして、恋愛的な親密さもかなり強い。
五年間、ほとんど一日も離れたことがない。
社交の場。
学院生活。
探索。
旅行。
宿泊。
日常生活。
常にメイヤがそばにいる。
寝室も日常的に共有しており、リリアーヌ自身もメイヤの腕の中で眠ることに慣れている。
リリアーヌが日本同行を決めた理由も、
「メイヤを一人で行かせない」
というもの。
メイヤがリリアーヌを置いていかないなら、自分もメイヤを置いていかない。
それが二人の関係の基本になっている。
メイヤからの愛情への対応
メイヤはリリアーヌに対して極めて強い執着と愛情を持つ。
自分を、
「伴侶」
と紹介することすらある。
その場合リリアーヌは、
「護衛よ」
と訂正する。
ただし、これはメイヤの感情そのものを拒絶しているわけではない。
むしろリリアーヌ自身もメイヤへの依存度はかなり高い。
二人の将来について話すこともあり、
「私たちの将来」
という言い方を自然にする。
メイヤに肩へ頭を預けたり、抱き締めたり、手を握ったりすることにも抵抗がない。
ただし、メイヤが話を性的な方向へ飛躍させると、基本的にはリリアーヌが止める側。
このため二人の会話では、
メイヤが暴走する。
リリアーヌが呆れる。
リリアーヌが訂正する。
メイヤがさらに理屈をこねる。
という流れが多い。
メイヤに対する最大の特徴
リリアーヌは、メイヤを非常に大切にしている。
しかし、
メイヤの代わりに人生を決めようとはしない。
秋芳洞でメイヤの正体が魔族である可能性が高まり、旧世界の記録と接続した際にも、
「私が決める」
とは言わなかった。
メイヤ自身に選ばせた。
旧世界の命令に従うのか。
現在の世界を選ぶのか。
接続を閉じるのか。
記録を残すために接続を維持するのか。
リリアーヌは答えを与えるのではなく、
考えるための足場を与える。
忘れそうなら自分に話せばいい。
一人で覚える必要はない。
間違って覚えたなら、その時また悩めばいい。
そうして、
「メイヤ自身が決めた」
という形を守る。
これはリリアーヌとメイヤの関係において非常に重要。
メイヤはリリアーヌを何より優先する。
リリアーヌは、そんなメイヤが自分自身まで失わないよう支える。
秋芳洞での役割
秋芳洞編では、リリアーヌの探索者としての本領が最も強く描かれている。
第一次調査では、
滑りやすい泥。
落石前の兆候。
新しい石片。
壁の陰の待ち伏せ。
床下の空洞。
壊れた観測機材周辺の危険。
などを次々に事前察知。
危険が起こってから対応するのではなく、起こる前に隊を止めている。
その能力を評価され、綾女から正式に調査隊前衛として認められた。
また、綾女から、
「何も分からなくても危険なら帰る」
という条件を出された際にも即座に了承している。
探しているものが目の前にあったとしても、一度帰って別の方法を考える。
この判断ができることが、リリアーヌが優秀な探索者である理由でもある。
裂け目内部での能力
秋芳洞深部では、空間そのものが歪んだ領域へメイヤと二人で進入している。
そこでは、
見えている距離が正しくない。
音が別の場所から返る。
壁の向こうへ道が続く。
上下左右の方向すら一定しない。
同じ場所を踏んでも別の場所へ繋がる。
という通常の探索技術が通用しにくい状態だった。
それでもリリアーヌは、
音の返り方。
水滴の動き。
水面の波紋。
壁や床の見え方。
空気の変化。
などから安全な進路を少しずつ割り出している。
ここでも特殊能力で正解を知っているわけではない。
小さな違和感を集め、
「少なくともこちらは危険が増えていない」
という選択を重ねて進んでいる。
危険に対する考え方
リリアーヌは勇敢ではある。
しかし、危険を好む人物ではない。
本人の考えはかなり明確で、
危険な場所ほど早く抜ける。
危険だから試したい。
強い敵だから戦いたい。
未知だから近づきたい。
というタイプではない。
「何かありそうだから止まる」
ことを恥とは思わない。
予定を捨てて戻ることも失敗とは考えない。
この性格が、死線を好む本田や、強敵を求めるエリカなどとは大きく異なる。
他者への配慮
リリアーヌはメイヤを最優先に思っているが、他人をどうでもいいと考えているわけではない。
秋芳洞調査前には、綾女が負傷した場合、
自分と同じように守るようメイヤへ命じている。
メイヤは最終的に、
「リリアーヌの安全を損なわない限り」
という条件を付けたものの、リリアーヌ自身は綾女を同じ調査隊の人間として扱っている。
また、調査指揮権も綾女へ預け、撤退判断にも従っている。
名門令嬢だから自分が中心であるべき、という意識は薄い。
専門家がいるなら、その専門家へ任せることができる。
日本旅行での一面
探索時の慎重さとは対照的に、日常ではかなり好奇心旺盛。
日本へ来た当初の主目的はメイヤの正体に関する手掛かりを探すことだったが、
東京観光。
灰塚。
青木ヶ原。
富士山。
播磨山嶺。
各地の食事。
などをかなり楽しんでいる。
「せっかく来たのだから見たい」
という欲求に素直。
メイヤから見ると、目的地へ向かう途中で頻繁に寄り道している。
本人には遊んでいるつもりはなく、
「見る価値があるから見た」
程度の認識。
名門令嬢ではあるが、世間知らずで何にも興味を示さないタイプではない。
家族・ヴァロワ家
フランスの名門ヴァロワ家の娘。
父親の存在は本文中で言及されている。
リリアーヌ自身は、家族から完全に管理されている深窓の令嬢ではなく、かなり自由に行動できる立場にある。
探索者として活動することも認められており、日本への渡航についても大きく制限されていない。
ただし、ヴァロワ家そのものの詳細、母親、兄弟姉妹、爵位などについては現時点では明確な設定がない。
口調
上品な女性口調。
ただし、過剰なお嬢様言葉ではない。
基本的には、
「〜ね」
「〜よ」
「〜でしょう」
「〜かしら」
「〜なさい」
「〜ではなくて?」
などを使う。
「〜ですわ」を連発するような古典的なお嬢様口調にはしない。
話し方には育ちの良さがあるが、かなり自然。
メイヤ相手ではツッコミが多くなる。
相手がメイヤであっても感情的に怒鳴り続けることは少なく、
呆れる。
訂正する。
問い返す。
理屈の穴を指摘する。
といった返しが多い。
口調イメージ
「何を言っているの?」
「それは違うでしょう」
「あなた、本気で言っているの?」
「今ここでやることではないわ」
「分からないなら、一度戻って考えればいいでしょう」
「メイヤ」
名前だけを呼んで制止することも多い。
コメディ時の立ち位置
基本的にはツッコミ役。
メイヤが、
性的な話を始める。
妙な理屈を持ち出す。
勝手に伴侶を名乗る。
将来の夫候補へ無茶な条件を設定する。
魔族の身体なら何でもできると言い出す。
といった暴走をすると、リリアーヌが止める。
ただし、リリアーヌ自身も完全な常識人ではない。
旅行では寄り道が多い。
興味を持つと普通に予定を変える。
メイヤとの距離感も客観的には十分おかしい。
そのため、
メイヤが圧倒的におかしいので、相対的に常識人に見えている
という面もある。
弱点・不得意分野
1. 純粋な戦闘力では最上位ではない
危険察知と回避、経路判断には優れるが、真正面から巨大な敵を叩き潰すタイプではない。
戦闘能力ではメイヤの方が圧倒的に高い。
2. 危険察知は万能ではない
未来予知ではない。
兆候が存在しなければ分からない。
情報そのものが歪められる環境では、一つずつ確認しながら進む必要がある。
3. メイヤが関係すると感情が強くなる
普段は冷静だが、メイヤが本当に危険な状態になると声が強くなる。
秋芳洞の裂け目では、メイヤを殺そうとする存在に対して明確な怒りを見せている。
4. メイヤへの依存
メイヤがリリアーヌへ強く依存している一方、リリアーヌ自身も五年間ほぼ離れず生活してきた。
本人はメイヤほど露骨に口へ出さないが、メイヤのいない生活にはかなり慣れていない。
現在の物語上の役割
リリアーヌは、現在の物語において、
メイヤを現在の世界へ繋ぎ止める人物
として非常に重要。
メイヤには、
失われた過去。
魔族としての正体。
旧世界との関係。
未知の権限。
魔界との繋がり。
など、本人すら理解していない巨大な設定が集中している。
それに対してリリアーヌは、
「あなたが何者だったか」
よりも、
「今のあなたが誰なのか」
を見る。
魔族だったとしても。
過去に何かあったとしても。
旧世界から何かを継承していたとしても。
現在のメイヤは、
五年前から自分と一緒に生きてきたメイヤ。
その認識を変えない。
そのため、メイヤの設定が世界規模へ広がるほど、リリアーヌは逆に、
メイヤ個人を物語へ繋ぎ止める錨
として重要になる。
リリアーヌのキャラクターの核
リリアーヌを一言で表すなら、
「危険を恐れない人物ではなく、危険を正しく恐れることができる令嬢探索者」
である。
派手な必殺技はない。
世界最高峰の戦闘力もない。
最深到達記録もない。
それでも、
危険を見つける。
無理をしない。
必要なら止まる。
目的を捨ててでも戻る。
仲間と一緒に帰る。
という探索者として最も重要な能力を極端なレベルで持っている。
そして私生活では、
好奇心旺盛。
旅行好き。
食事も観光も楽しむ。
メイヤに振り回される。
けれど最後にはメイヤを置いていかない。
という十八歳の少女らしい部分も持つ。