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美琴ちゃんSS

「ふわぁ……」
「珍しいわね。いつもしゃきっとしてる美琴があくびだなんて」
「ここのところ色々と忙しくてね。ちゃんと寝ているんだけど、疲れが完全に取れなくて」
「最近根を詰めすぎじゃない? 頑張ることはいいことだけど、頑張りすぎは身を亡ぼすわよ」
『奥様がお嬢様のグッズの制作に乗り出して、ノリノリで巻き込んでおりますものね』
「グッズはいずれ作ろうとは思っていたから別にいいんだけどさ、そのために他人まで巻き込むのはやめてほしいわ」
「琴音さんが他のモデルとかカメラマン巻き込んでいろいろやってるのが容易に想像できるわね」
『実際、写真集の販売も行うつもりで、他のモデルを数名巻き添えにしております。その方々も楽しんでおられますが』
「私はそういう写真集はやらないって散々言ったんだけどなあ」
「なんだかんだで、琴音さんのパッションに圧倒されて最終的には了承しちゃったんだ」
「昌は分からないでしょうけど、あのものすっごい熱意を一週間向けられ続けてごらんなさい。いい加減疲れて来るわよ」
「あー……。前に泊まりに行った時も、新作の着ぐるみパジャマを着てほしいって鼻息荒くして懇願してたわね。あれが一週間か。それはきついわね」
「グラビアは意地でもやらないってそこだけは譲らないでいたから、ゴスロリとかチャイナ服とかそういうので何とかすんだわよ。致命傷だけど」
「美琴のチャイナ服とか、絶対眷属の何人かが死ぬと思う。ちなみにスリットは?」
「超深い」
「そりゃそうだよね。足長いし。なのに細すぎずにいい具合にむちっとしてるし」
「ちょっ、いきなり人の足に触らないでよ! びっくりするじゃない!」
「前にほっぺムニムニされたお返しよ。……なんであんなに激しく動き回ってるのに、こう、筋肉質じゃなくてこんな柔らかいの?」
「知らないわよっ!」

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