リリス様が勢いのまま飛び出した先は、
海と山にはさまれた街――神戸だった。
異人館の並ぶ北野。
人々が行き交う三宮。
香辛料と湯気に包まれる南京町。
庶民の熱気が残る新開地。
そして、生田神社や関羽廟、兵庫の町に息づく古い記憶。
そんな神戸の街でリリス様は、
座敷童のキク子、生田神社のワカヒルメ、関羽廟の九天玄女たちと出会い、少しずつ人間界での居場所を見つけていく。
港の夜景に見惚れ、
南京町で食べ歩き、
新開地の大衆演劇に泣き、
古い神社で人ならざる者たちと語り合う。
大悪魔なのに、どこか人間くさいリリス様。
笑って、怒って、食べて、泣いて――
神戸の街は、そんな彼女を少しずつ変えていく。
華やかな港町の顔も、
下町の温もりも、
震災の記憶も、
神と妖と人が同じ街で生きる不思議も。
これは、リリス様が「神戸」という街に出会い、
神戸で仲間と出会い、
やがてこの街を大切な場所にしていく物語。
悪魔と神様と妖怪たちが織りなす、
神戸発・現代ファンタジー。
本編・外伝を含む『リリス様』の物語をまとめたコレクションです。
に更新