星影 迅です。いつも【千変万化の最強王】を応援頂き、ありがとうございます!
皆さんのおかげで遂に200スター、突破致しました!!
これからも【千変万化の最強王】をよろしくお願いします(*・ω・)*_ _)
また、記念として、記念SS「千縁の初恋」を掲載させて頂きます!
皆さん、初恋って叶いましたかね??
さて、千縁の初恋は……!?
お楽しみに!
〜〜〜〜〜
キーンコーンカーンコーン
「今日から隣の席だね! よろしく、千縁君!」
「あ、よろしく、東城さん」
およそ30年前、ダンジョンとそれを探索する探索者が生まれたこの世界で、現在、俺こと宝晶千縁は一般の中学二年生をしていた。
「宝晶千縁……珍しい名前だね! かわいいからちよ君って呼んでいいかな?」
「かわいいて……いいよ、なんでも」
「わ〜ありがとう! ちよ君!」
きっかけは席替えで隣の席になったからだった。
初めは凄く可愛くて、陰キャの俺には近づき難いと思っていたが、話しているうちに趣味も合うし、一緒にいる時間が楽しくなってきた。
「ねぇ、ちよ君の夢ってなに?」
そんなある日。二人で水族館に初デートに行った帰り、ふとそんな質問をされた。
「えっと、俺は……」
俺は初デートともあって、色々とワタワタしてしまった感が否めず緊張していた。
そんな時にいきなり質問されたもんだから、また言葉を詰まらせてしまう。
「あ、えっと……お金持ち、かなぁ」
「へ〜そうなんだ! どうしてお金持ちになりたいと思ったの?」
そんな忙しない俺にも、彼女は笑顔で接してくれる。
「だってお金が無いと……おいしいものも食べれないし、好きな人を満足させることも出来ないから」
「へぇ〜! ちよ君って一途なんだね! お金持ちと言えば……探索者になるのかな?」
「探索者……確かに、今どき1番稼げるのはそれだよな」
探索者……最も早ければ12歳、中一からなれる職業だ。
特に今年は黄金世代とか言われていて、かなり質の高い世代だそうだ。
「じゃあさ、約束しようよ!」
「約束?」
彼女が少し前にトタタっと走っていき、振り返る。
「ちよ君が探索者になって、お金持ちになる! それまでに私は、家事も勉強も極めて、最高のお嫁さんになる!」
「お、お嫁さん!?」
彼女はニシシ、と笑って言った。
「ちよ君の一途な所、私好きだな。だから将来、私のこと、満足させてよ! 私もちよ君を満足させれるように、頑張るから!」
「東城さん……うん、約束だよ!」
突然の告白で、それ以上は何も言えなかったが、その日は今までの人生の中で、紛れもなく一番楽しい一日だった。
それから、彼女が大阪から地方に引っ越してしまうまでは短かった。
「ちよ……探索者になるって本当? 成績もそこそこいいのに、なんで今更?」
幼なじみの金城玲奈が問う。
いきなり俺が進路を変えたことが疑問なのだろう。
「探索者になって……約束があるんだ」
「え……?」
彼女は親の仕事の都合で引っ越してしまった。俺の家は余裕が無さすぎるために未だ携帯すら持っていない、連絡手段がないのだ。
(ただ成功するだけじゃいけない……いつか中級、いや……最低でも上級探索者になって、彼女を探すんだ)
連絡手段がないなら、向こうからこちらを見つけてもらえばいい。
探索者として成功すれば、桁違いの富と名声が手に入る。
今や平均5チャンネルがやっている探索者番組。
上級探索者にもなれば、そういったテレビに出る機会が手に入る。
そうすれば彼女も、俺の事を見つけられて、会えるだろう。
「それって……」
「俺には、会いたい人がいるから」
それまで待っててくれ、俺の初恋の人。
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