本編を読みやすくするために、
第1章までに出てくる主要人物たちをざっくり紹介します。
【熊】
■クマコ
森で生きる熊の少女。
本作の主人公です。
幼熊の頃に人間へ捕獲され、左耳に銀色のタグをつけられた若いメス熊。
人間を警戒する本能を持ちながらも、傷ついた人間の少年を見捨てることができず、守ろうとします。
やさしさと恐れを同時に抱えながらも、
その「守りたい」という感情が、物語を大きく動かしていきます。
■シロ
クマコを気にかけている白い熊。
寡黙で落ち着いた雰囲気を持つ、頼れる存在です。
多くを語るタイプではありませんが、
だからこそ言葉や行動に重みがあります。
本土の熊と外来の熊、その血を引く特殊な生まれのため、
仲間である熊たちから理由のない差別を受けてきました。
けれど、クマコの純粋な優しさに心を動かされ、荒んでいた過去と決別します。
クマコを戦わせたくないと願う、
静かな優しさを持った熊です。
■ハル
クマコと一緒に暮らしている子熊。
明るく無邪気で、幼さの残る女の子です。
森の中でのびのびと過ごしており、
その無垢さはクマコにとっても大切なものになっています。
厳しい森の暮らしの中で、どこかほっとする空気を持った子です。
■ハラ
クマコと一緒に暮らしている子熊。
ハルよりも少し静かで、おとなしい印象の男の子です。
感情を大きく表に出すタイプではありませんが、
幼いながらも周囲の空気を感じ取っているような一面があります。
ハルと並んで、クマコが守ろうとする大切な存在です。
【人】
■神代沙耶(八雲沙耶)
物語開始時点ですでに故人。
かつて凄惨な熊害事件に巻き込まれ、命を落とした人物です。
その死はこの物語の背景に重く横たわっており、
人と熊をめぐる世界の空気にも深く関わっています。
■黒崎蓮司
官民合同のECO-SCANプロジェクト総責任者。
人間側において、森と熊をめぐる状況を動かしていく重要人物です。
冷静さと強い意志を感じさせる人物であり、
彼の決断は、人と熊、それぞれの世界を大きく動かしていきます。
『熊譚・くまたん』は、
単純な善悪ではなく、
それぞれの立場にそれぞれの事情がある物語です。
熊の側から見える世界。
人の側から見える世界。
そのズレごと読んでもらえたら嬉しいです。