『理不尽だが、兄弟は異世界に居る』の第3章が幕を開けました!
今回からアリシア魔術学院が舞台の中心地になります。
この章では戦闘と恋愛が入り乱れながらもシリアスな展開も用意する予定です。
私自身、この章は今後の話を左右すると思っているので頑張りたいと思います。
遅筆ではございますが、何卒、応援のほどよろしくお願いします。
【~ざっくりとしたあらすじ~】
妹を通り魔に殺され、その1件を引きずりながらも人生を歩んでいた田村響。彼は大学生として生きながらえた命を誰かのために使う術を探していた。そんなある日、駅のホームで自殺を試みる少女を見つけて助けるが、響は死んでしまう。再び、目を覚ました響はサダメと名乗る人物から妹と同じ世界に行けると言う話を聞き、異世界へと行くことを決意する。
しかし、転移した先はアリシア領の軍事長官のエミリー・ウィルダートの豪邸で、犯罪組織『レボネス』の構成員ではないか疑われて捕らえらてしまう。転生者という概念がないこの世界では潔白を示すことは出来ず、絶望に暮れていた響だったが、転生3日後の夜にレボネスがウィルダート邸を襲撃する事件が発生する。
襲撃の首謀者は犯罪組織『レボネス』の幹部『廃塵の魔女』であり、響の妹、美咲だった。しかし、妹の様子は以前とは変わっていて兄がいるにも関わらず、魔術を撃ち込んで逃走してしまう。
廃塵の魔女と響の関係を知ったエミリーは響に「身の安全は保障できない」と告げる。レボネス幹部の肉親である響は事実上の犯罪者であり、領主であるマーレット・アリシアに引き渡す義務があると述べる。
しかし、エミリーはその言葉とは裏腹に「軍の魔術師として働かないか」と話を持ち出し、お互いの目標の為に密約を結ぶ。そして、エミリーは密約を結ぶ過程で条件を一つだけ出した。
それは美咲を捕まえたら彼女の安全を保障する代わりにアリシア魔術学院を卒業することだった。その条件を承諾した響は3週間に渡ってエミリーに剣術、魔術の指導をワンツーマンで受け、基礎を身につけて行く。そんな矢先、マーレット・アリシアが突然、ウィルダート邸を訪れてエミリーに内示を言い渡す。
「エミリー・ウィルダート。アリシア領領主、マーレット・アリシアの名において本日付けであなたのアリシア領、軍事長官の任を解き、アリシア魔術学院の教授職に任命する」
アリシア領で発生した軍のクーデターの責任――その濡れ衣を被る形で失脚したエミリーはその日から犯罪者のレッテルを貼られることとなる。この1件を機にエミリーは専属のメイド、アリスと居候の響を追い出そうとするが、二人とも残ることを決断する。
きっと、濡れ衣を晴らし、妹をこの手に取り戻す日を信じて。
to be continued